そしがやは、公務員だったので、ずっと「公務員でよかったね」と言われ続けてきました。
確かにその通りの面もありますが、その言葉の背後には、「民間企業は、不況で給与も上がらないし、倒産もあるのに、公務員は、そんなことがなくていいね」という思いが隠れています。
政党によっては、公務員の給与を下げろ、という主張をしているところもあります。
メディアにも同じような主張の記事が載るときがあります。
ですが、もし公務員の給与が今より下がって、公務員の生活が不安定になったり、雇用が保証されなかったら、どうなるでしょうか。
冷静に考えてみましょう。
当然起きるのは、よく発展途上国であるように公務員が賄賂を取るようになるでしょう。
賃金が下がって、生活できないのなら、そうなるに違いありません。
現実にそのようが国が多いのですから、日本もそうなるでしょう。
日本の公務員だけ貧しくても賄賂を取らないなんてありえません。
それは、かえって国民にとって不幸なことです。
また新興成金に対してのバッシングがよくあります。
IT業界のような新しい業種で一代で成り上がり、マスコミの寵児になったりする人への嫉妬は激しいものがあります。
刑務所に入ったりするとそれ見たことか、とみな一斉にののしります。
これって、一般の庶民より今までの既得の金持ちを喜ばせるだけです。
公務員バッシングにしても新興成金バッシングにしても気持ちいいものです。
何か言った瞬間、すーと気持ちが晴れるます。
居酒屋では、そういう話題が一番盛り上がるようです。
「こっちは給料も下がっているのに、仕事もろくにしないでも給料が出るなんて、公務員は、税金泥棒だ」なんていうのは、よく耳にします。
ですが、その結果どうなるでしょうか。
気が晴れるのはその一瞬だけです。
もしそうなったら、賄賂が横行し、今までいろいろな企業の製品を買ってくれた公務員が物を買わなくなり、景気はもっと悪くなります。
経済は回らなくなります。
こんな話を考えると中国の毛沢東時代を思い出します。
みな平等でした。
ですが、みな貧乏でした。
金持ちや知識人が迫害された時代です。
そんな迫害をしていたのは、紅衛兵という若者たちでした。
毛沢東は、人間の持っている嫉妬というエネルギーの大きさがよくわかっていた政治家だったんでしょう。
こんな発言は、そしがやが公務員だっただけに批判を受けるかもしれません。
ですが、嫉妬だけで冷静さを失うと、かえって国民全体にとっても損だということを分かって欲しいと思います。
関連記事