NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル 老人漂流社会「親子共倒れを防げ」を見た。
収入が少ない中高年が高齢の親と同居するケースが増えている
子どもと同居することで経済的に苦しくなり、老後破産に陥ってしまう親子
家族が一緒に暮らすという選択が、難しい社会であっていいのか
今までは、高齢者の一人暮らしが問題があり、行政は、そういうケースだけ問題視していたが、高齢の親と中年になった子どもだけの世帯にも問題があるというものだった。
いくつかの事例を取り上げていたが、何か共通するものを感じた。
みな、周りに相談する相手がいないということだ。
例えば、東北の寝たきりの母と介護する息子の親子二人が亡くなって発見されたケースだが、東京に弟がいるのに、連絡していない。
あるいは、近くに友人もいたが、相談していない。
行政に連絡していれば、親子二人とも亡くなるという最悪の事態は避けられたはずだ。
まわりの人も気がつかなかったのだろうか。
あるいは、よその家のことだからと余計なお節介はしたくないと思っていたのかもしれない。
札幌の親子の世帯で老後破産の可能性のある事例も親子だけで悩んでいて、他に相談をしていない。
見ていると辛くなる番組だが、解決策が見えてこないともっと救われない。
NHKも今回は問題提起し、二人の学識経験者の意見を紹介していた。
ひとつは、行政がもっと積極的に関わらなくてはいけない。
子供と世帯がいっしょでも親には生活保護を認める必要があるというもの。
もうひとつは、今まで通りの福祉で行くか、あるいは今まで以上に行政が福祉に関わるか。
この二つの選択肢を提示して、二つ目の選択肢のためには、国民に税金を上げなくてはいけないということをしっかり説明する必要があるというもの。
元大蔵省出身の学者だけに財政問題を重視していた。
福祉問題は、最終的には、財政問題なので、そしがやは、2人目の学者の意見が説得力を持っていたと感じた。
それにしても今までは、親が年を取って子どもといっしょに暮らすのが理想とされていたが、今は、それが問題になってきた。
国が借金を千兆円以上抱えている中では、もっと政治も行政も国民も福祉の現状にしっかりと向き合う必要があるのは確かだろう。
正直、気が重い問題だが。
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