以前、小説家になりたいと小説教室に通っていたことがありました。
ただ教室に通ってみると何人かの受講生が新人賞を受賞して、デビューしましたが、一作で消えてしまった人もいるし、いまだに小説家として頑張っている人もいますが、今回読んだ「小説家になって億を稼ごう」の著者の松岡圭祐が主張するように年間1億を稼ぐ人は、耳にする範囲では、いないようです。
ですが、この本では、そんな夢も実現できると述べています。
いろいろな小説家になる本を読んできましたが、ここまではっきりと小説家は、儲かると強調している本は、初めてです。
それにこの本は、小説家になる方法となってからのノウハウがかなり具体的に述べられているのが特徴です。
「想造」という創作方法が新しいです。
脳内で物語を作り出す方法です。
そのやり方は、好きな俳優を7人選び、顔写真をネットからダウンロードします。
男女は、4対3がベストだとしています。
好きな名前を付け、身長、体重、年齢、出身地、職業などのプロフィールを設定します。
また舞台を設定するために風景写真を3か所これもダウンロードします。
それを登場人物の写真の下に貼り、眺めながら、登場人物たちの動きを空想するのが、「想造」です。
この方法で面白いと思ったのは、既存の俳優の写真や風景から物語を生み出すということです。
多くの小説家は、自分の好きな俳優から主人公たちを創作していないでしょう。
多分、自分が過去に会ったことのある人物から生み出しているのではないでしょうか。
少なくとも今まで読んだことのある小説創作本には、このようなノウハウは、書かれていませんでした。
またこの本で興味深いのは、小説家デビューしてからの編集者との付き合い方など業界の人しか知らないことです。
無論、周知の人にとっては、何ら目新しいことはないでしょうが、部外者には、新鮮でした。
例えば、印税は、一般的には、5~10%だと言われていますが、新人は、業界のことを知らないので、編集者から言われるがままに5%程度に抑えられがちです。
ですが、ここで頑張らないと仮に第1作が売れても稼げないし、その後の印税割合の交渉にも影響してしまうというのです。
これって、デビューした小説家にとっては、大事なことですね。
ほかにも、デビュー作がヒットした時や逆にヒットしなかったときの対応や映画、ドラマなどの映像化の話があったら、何に気を付けるべきか、などの実際的なノウハウが詰まっている本です。
それにしても、出版不況と言われ、本が売れなくなって、小説家になっても稼げなくなったと言われている中、実は、儲かっている小説家もいるというのは、意外でした。
小説家に挑戦してみようという人が増えてくるような気がする本ですね。
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