かつて日本は、世界でも物価が高い国として有名でした。
そのためか老後を物価の安い外国で過ごそうという人も多かったようです。
今でも、リタイアのブログを見ると東南アジアの国でリタイア生活を送っている人のブログが結構あります。
そしがやも検討したことがあります。
そんな中、日本は、今では、長年のデフレのためか世界でも逆に物が安い国になってしまいました。
来日する外国人からすると日本では、品質がいいのに、物が安くて、素晴らしい国だという評価がされています。
反面、日本人が外国に旅行すると外国の物価高に驚くということがあるようです。
そんな日本の物価についてニューヨークに在住するジャズミュージッシャンの大江千里の発言の記事を読みました。
<ワンコインランチって常軌を逸していると思います。500円のお弁当の背後には、おかずをせっせと詰めている人がいるわけです。その人たちはちゃんとした時給をもらえているんだろうか。心配になります。日本の物価の安さの裏側にあるのは、やっぱり賃金の問題じゃないでしょうか>
大江千里は、日本の物価の安さには、問題があるとしています。
それは、賃金が抑えられているということです。
これって、いろいろなところで指摘されていることです。
最近読んだ本でも取り上げていました。
大江によるとニューヨークでも人気のラーメンは、1杯20ドル(2200円、1ドル=110円)以上、替え玉やトッピングをして、ビールを飲むと50ドル(5500円)はするといいます。
日本では、同じラーメンは、せいぜい1000円くらいでしょう。
アメリカの方が2倍以上高いわけです。
モノやサービスが安いことは消費者にとってありがたいことだが、そのしわ寄せは人件費にきている。「実質賃金指数の推移の国際比較」(全労連作成)によると、1997年を100とすると、2016年は日本が89.7,アメリカ115.3、フランス126.4、スウェーデン138.4と、日本人の人件費はここ20年以上ずっと下落基調だ。
なぜこのような安い物価になっているかというと賃金が減少しているからだとこの記事では、分析しています。
1997年以降賃金の下がっているのは、日本だけです。
これをどう読むかということですが、もう仕事をしていなくて、年金暮らしのそしがやにとっては、この状況は、理想的な状態です。
品質がいいにも関わらず、物が安くて、治安もいいのですから、日本は、本当に住みやすい国です。
もう外国で老後を送ろうという気には、なりません。
ですが、この記事が指摘するように今働く人にとっては、いつまでも賃金が上がらないので、閉塞感の中にいるのかもしれません。
これって、大江千里が問題視する通りでしょう。
ただ、物は品質が良くても安いのが当然だという風潮がある限りは、なかなか変わらないような気がします。
日本人の価値観が問われているということでしょうか。
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