そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「貧困なのに専業主婦」をあえて選択した人の幸福度が案外高いのはなぜか

そしがやが18歳まで育ったのは、半農半漁の町です。

そのせいか所得は、都市部に比べると低く、夫婦とも働いている人がほとんどでした。

ですからテレビで見かける都会の専業主婦という存在が珍しかったです。

母も、そんな専業主婦に憧れていました。

家事だけして、家の中をきれいに整理整頓したいというのが、母の口癖でした。

 

そういうこともあって、専業主婦は、かなり豊かな世帯だけのものだとずっと思っていました。
ですが、実際には、そうでもないということを分析した本が出版され、それについての記事を読みました。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

この記事のもとになったのは、この本です。

 

 

現在の専業主婦は、夫の収入が高い、少数の裕福な家庭に限られていると見られていた。「あなたはいいわね。夫が高給取りで働かなくてもいいんだから」と。しかし、著者は調査結果から、専業主婦のうち約8人に1人が貧困に陥っており、妻がパートの共働き世帯(貧困率9%)よりも貧困であるというデータを導き出す。前述した「専業主婦=高収入男性の妻」というイメージが崩れた瞬間である。

 

この本で明らかになったのは、専業主婦のうち8人に1人が貧困だというものです。

当然、なぜ貧困なのに、専業主婦は、働かないのかという疑問が生じます。

 

本書は、これまでにほとんど調査研究が存在していなかった専業主婦の貧困問題について、2011年から2016年までの「子育て世帯全国調査」をもとに、独自研究を行い、「貧困なのに専業主婦」の疑問点を一つずつ解き明かしている。登場する6名の「貧困専業主婦」のケースから、女性が専業主婦になる理由は、「自己都合型」と「不本意型」の大きく二つに分けられるという。

 

働かない理由には、大きく二つの型に分けられると分析しています。

 

自身が抱えるうつ病や子どもの障害、職場環境に適応できず再就職するも継続することが難しいと嘆く主婦。世帯収入は、国の貧困線を大きく下回っているのに、車を所有しているとの理由で生活保護を受けることもできないなど、働きたくても働けない「やむをえない理由」をもつ主婦。

 

これは、「不本意型」でしょう。

 

自分の給料と子どもの保育料とのつり合いがとれないから働かないなど、「貧困なのに専業主婦」をあえて選択した人もいる。働きに出れば、無料もしくは極めて安い保育料で認可保育所を利用できるのに、自らその権利を放棄している貧困・低収入家庭の専業主婦も大勢いる。

 

これが「自己都合型」と呼べるでしょう。

 

中には、貧困・低収入ながらも高い幸福感を得ている専業主婦もいる。子育てと夫婦関係が比較的良好であると低収入ながらも幸福度が高いというデータもある。ただし、自分が「幸福」と感じているものの、客観的にみるとむしろ「不幸」、相対的貧困とも言える状態にいる貧困専業主婦は少なくない。

 

とは言え、貧困専業主婦でも幸福感を感じている人が多いというデータもあります。

自分で選んだ道なのだから当然と言えば、当然なのかもしれません。

 

本書では、「貧困専業主婦」を一つの「社会現象」と捉え、「貧困の罠」、「制度的罠(配偶者控除社会保障制度、配偶者手当など)」が意図せずに専業主婦コースへと誘導する効果があるとしている。働く希望を持つ貧困専業主婦の労働を阻害している「社会的な障壁」が確かに存在し、「貧困なのに専業主婦」というジレンマが解消できない。

 

この本では、日本の制度がもうすでに「高所得の夫の妻が専業主婦になる」ということが昔話であるにもかかわらず、貧困専業主婦を作り出す罠があると述べています。

先進国の中では、女性の就業率の低い現状を鋭く、指摘したものです。

 

この本を読んで正論かもしれないが、納得できない女性も多いような気もします。

そこまでして、仕事をしたくないというものです。

それが貧困専業主婦の幸福度の意外な高さの理由でしょうか。

 

そしがやが女性の立場だったら、家事をしながら仕事をするのは大変なので、仮に貧困でも専業主婦という選択をしているかもしれませんね。

 

関連記事

 

sosigayax.hatenablog.com

sosigayax.hatenablog.com

sosigayax.hatenablog.com