勤めているころ、若くして退職した同僚が何人かいました。
田舎に帰って、地元の県庁や市役所に入るという人もいましたが、サラ金の借金を退職金で返すためとか、心の病のため仕事が続けられなくなったとか、のように不本意な形でやめる人もいました。
県庁や市役所に転職した人たちの消息は、その後も聞くことはあったのですが、不本意でやめた人たちの行方は、もう聞くことがありませんでした。
こんな記事を読みました。
茨城県警取手署は3月28日、有印私文書偽造・同行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで、守谷市の41歳の無職男を逮捕した。男が死亡届に書いたのは、自分の名前、住所だった。元々はまじめな消防士だったという。なぜ自分の存在を抹殺するような書類を書いたのか。男の足跡を追うと、内気でまじめな男が転落したある「事情」が浮かび上がった。
高校時代は、野球部で活躍したこの41歳の男性は、消防署へ就職しました。
20歳初めに結婚して子供もいました。
順調そうな人生に見えましたが、職場でいじめを受けてから変わります。
「ある朝、息子が泣いたんですよ。『もう消防署に行きたくない。死んでしまいたい』と」。
これは父親の話ですが、このころから心を病んできたようです。
月に1回精神科へも通い出しますが、結局は、消防署をやめてしまいます。
その後は、仕事を転々としますが、長続きしません。
その後は、2000万円の高級車を買って、その金を父親が肩代わりするとかのように家族にも迷惑をかけます。
妻子とも別居し、離婚しました。
最後は、実名で口座を設け、振り込め詐欺の受け子までしていて、警察が父親の元までやってきます。
これまでは、ずっと本人の尻ぬぐいをしてきた父親ですが、
「前の事件では法廷にも行って『仕事をしろ』と陳述したが、今回は面会にも行きません。もう立ち直るのはあいつ次第だから…」
と今は、すっかりあきらめているようです。
なぜ、この41歳の男性の人生が狂ってしまったのかは、よくわかりません。
職場のいじめだけではなかったような気もします。
ですが、まだ人生は、長いので、早く立ち直ってほしいと願うばかりです。
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