40年ほど前に役所に入ったとき、最初に配属された係にかなり職場に批判的な人がいました。
そしがやより10歳くらい年長の男性で、いつも「こんな仕事のやり方じゃだめだ」とか、「おれだったら別のもっといい事務のやり方がある」って、言っている人でした。
初めのころは、そんな先輩は、はっきりものが言えて、問題意識が強い人だな、と好意的に感じました。
ですが、しばらく経っても、具体的な提案をして、仕事を改善する意欲が見られないので、言いっぱなしの口だけの人だという評価になりました。
係の他の人もそういう目で彼を見ていました。
その先輩の口癖が、「こんな職場だったらいつだって辞めてやる」でした。
その後、人事異動があり、その先輩とはしばらく会うことがありませんでした。
20年ほどして、ある職場で彼を見かけました。
そしがやは、普通に挨拶をしましたが、彼は、まだ職場を辞めていませんでした。
こんな記事を読みました。
ある会社で、この「会社を辞める」という発言が口癖のようになっている社員がいます。年齢は40代前半、20代後半の頃に中途入社して、社歴はもう15年を超えるような人です。
(中略)
そんなことを言いながらも、結局辞めずに15年越え選手になっている訳ですが、発言の中身は相変わらずで、会社をはじめとした他者批判をしながら「辞めてやる!」というそうですが、辞める気配などは、これまで以上にまったくないらしいです。そんな今の状況で、この人が周りからどう見られているかというと、入社当時の「はっきりものが言える人」ではなく、「口だけで実行力がない人」「責任感がない人」となってしまっています。
そしがやの先輩と同じように辞めると言い続けている社員のようです。
ですが、職場では、他の社員から総スカンの状態です。
当然でしょう。
建設的な提案もせず、会社や他の社員に批判的なことばかり言うだけですから。
この記事によると会社の経営が悪くなり、人員整理が行われるような場合は、こういう社員が真っ先に対象になるだろうと指摘しています。
その通りだと思います。
さて最初に紹介した先輩ですが、結局、定年まで勤めました。
定年退職者の名簿に彼の名前が載っていました。
辞める、辞めると言いつつも定年まで勤めた訳です。
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