4月17日の「NHKスペシャル老人漂流社会 団塊世代 しのび寄る“老後破産”」については、一度記事にしました。
3つの事例が紹介されていましたが、特殊なケースを取り上げて、団塊世代の普遍的な問題点にしたのではないか、とすこし疑問を投げかける内容でした。
昨日の読売新聞の「放送塔から」という記事を読んでいたら、「老後破産 ひとごとでない」という見出しで、その番組のことが載っていました。
この記事は、読者からの投稿をもとにしたものです。
ちょっと内容を紹介します。
高度成長の核となって日本の屋台骨を支えてきた団塊世代がいま、「長寿化した親の介護」と不安定な就労に苦しむ団塊ジュニアの板ばさみとなって、生活苦に脅かされているという。よほどの資産に恵まれた人でない限り、年金生活者に迫る現実に、多くの投稿が寄せられた。
「私たち夫婦もほぼ団塊世代におり、とてもひとごととは思えず注目していた」
(中略)
「長寿はめでたいことばかりではないこと、一度自立した子どもも出戻ってきたり、安心できないこと、かなり多数の預貯金があっても、どんどん取り崩す事情が起きることなど三者三様の取材実例を示してくれた。自分も対応策をしっかりせねばと再認識した」
やはり団塊世代には、インパクトがあったというのがわかります。
また団塊世代に続く世代にも衝撃を与えたともこの記事は伝えています。
「団塊世代と聞けば高度成長とバブルを体験した”最も豊かな世代”と思っていたが、現実は決して全員が豊かな世代でないことを知った。団塊世代ですらこの惨状。その下の世代である自分たちの老後がものすごく不安」
番組を作るためには、かなり例外的な事例を示さないとアピールしないとは、思いますが、いたずらに不安をあおったような気もします。
統計的に言えば、日本の高齢者は、今の若い世代よりは、資産的には豊かなのは確かです。
ただ、どの世代にも恵まれない人たちがいるのは、確かですが。
またこの記事の最後は、こう結ばれています。
この番組が突きつけた深刻な問題。国を動かす契機に、と期待したい。
最後は、国はどうするのだ、という結論になっています。
メディアによくある論調です。
具体的に国は何をしたらいいのでしょうか。
何だかこの結論って、ちょっと安易だと思います。
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