そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「罰金はわずか数百円」それでも中国人が信号を守るようになった怖い理由

通っていた大学院は、先日、学位授与式があり、そしがやも卒業しました。

3年間通って修士の学位を得たということです。

卒業して、いろいろな感慨がありますが、大学院で学んでよかった点の一つは、外国からの留学生と知り合えたことです。

 

中国からの留学生が多かったのですが、今年度は、ほとんどズームによる授業だったので、話すことはありませんでした。

以前は授業後の雑談でよく日本や中国の違いなどについて話したことを思い出します。

そんな時に、中国の方が現金以外の決済が進んでいるということや、それ以外にもいろいろと中国の方が技術的に進歩が目覚ましい分野があるという話を聞いたことがありました。

そんな中の一つである監視カメラの記事を読みました。

 

news.yahoo.co.jp

 

中国には至る所に監視カメラがある。AIを駆使した最新のシステムで信号無視すら見逃さない。中国で特派員を務めた毎日新聞記者の赤間清広さんは「最先端の監視カメラで交通マナーは劇的に改善した。しかし、その解決法はあまりに過激だ。治安維持の名目で、人々のプライバシーが丸裸にされている」という――。

 

この記事のテーマは、中国の監視カメラです。

今回の記事は、そんな監視国家の怖さを取り上げたものです。

 

市内にある大学での授業を終え、家に帰る途中、たまたま通りかかった繁華街に設置されたモニターに見覚えのある顔が大きく映し出されているのを目にしたという。

 「普段からよく遊んでいる友人の顔写真でした。モニターを見た瞬間、『えっ、うそでしょ』と叫んでしまって」

 すぐにスマートフォンでモニターの写真を撮り、その友人に送信すると「確かに私のようだ」という答えが返ってきた。

 

これは、上海の西約120キロに位置する江蘇省無錫に住む女子大学生(22)から著者が聞いた話です。

その中心地にある交差点の歩道側に、噂のモニターはあった。100インチはあるであろう巨大サイズだ。ただ、驚かされたのは大きさではない。そこに映し出されていた映像の異様さだ。

 表示されていたのは、赤信号を無視して交差点に進入するバイクの姿と、そのバイクを運転する女性の顔をクローズアップした写真。恐らくモニター脇に設置された監視カメラが撮影したものだろう。

 モザイクなどは一切、かかっていない。顔写真の脇にはその女性の名前と身分証番号の一部まで表示されている。プライバシーが丸裸にされ、街中で公開されている状況だ。

 

そのことをタクシー運転手に取材すると『交通違反者暴露台』というものだといいます。
この巨大モニターは、事故の絶えなかった交通マナーを改善するために警察が設置したものです。

警察はこの監視カメラシステムによって違反者には罰金を命じます。

信号無視程度であれば、日本円にして数百円ほどです。

しかし、違反者にとっては、罰金を払うことよりも、大勢の市民にプライバシーを裸にされ、「さらし者」にされた精神的ショックの方がはるかに大きいと想像されます。

 

「以前は車も歩行者も交通マナーが本当に悪かった。でも、このシステムのおかげで信号を無視して急に飛び出してくる自転車や歩行者が減り、安心して運転できるようになった」

 

と取材に応じたタクシー運転手は、語っています。
こういう技術進歩は、日本以上に進んでいるようです。

ですが、日本だと誰も望まないでしょうね。

それは、まだ日本が監視カメラ導入以前の中国よりは、交通マナーがいいということもあるでしょうし、プライバシーの漏洩に対して、より厳しい社会だということもあるでしょう。

 

展示室の片隅に、不思議な映像が映し出されていた。

 100人を超える男女の顔写真と名前が表示され、それぞれが赤や黄色、白の線で結ばれている。「これは何ですか」と担当者に尋ねると「ビッグデータを使った人間関係の分析実験です」という答えが返ってきた。

 

後半で著者が監視カメラシステムで有名な中国企業を訪問した時のことに触れています。

 

「赤い線で結ばれている人は親密な関係にあることを示しています。黄色、白と色が薄くなるほど、関係性も薄くなっていきます」

 

 担当者の説明では、解析には監視カメラの映像に加え、買い物記録やスマホの通話履歴など個人を取り巻く様々な情報が使われています。

ここまでくるとプライバシーなんて、完全に存在しなくなってしまいます。

 

「個人情報の問題があるので実用化こそしていませんが、現在の技術レベルで言えば、もう十分に実現は可能です」

 

企業の担当者は最後にこう述べていますが、この記事の印象だと実際には、もうすでにそんな社会になっているような気もして、怖いですね。

 

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