以前、派遣切りに遭い、トランクルームに住むようになった男の記事を書きました。
それから、どうなったか気になっていたのですが、その後を追った記事を読みました。
例えば週刊SPA!’19年9月10日号で取り上げた貸倉庫難民の落合健太さん(仮名・44歳)もその一人だ。彼は非正規雇用を転々とするも’08年に当時横行していた「派遣切り」を機に転落する。年収100万円で家賃を滞納し、本来居住を許されていないトランクルームで息を潜めて2年間も暮らしていた。
前回の記事は、就職氷河期を経験した30代後半~40代中盤までの“ロスジェネ世代”と呼ばれる報われない者たちものものでした。
格差社会がますます広がりを見せはじめた中、令和に新たに生まれた「負け組」になった人たちの中から44歳の落合さんを紹介したものです。
唯一支払っていた生命線の携帯電話で、SNSに「苦しい」と投稿。それを見た知人から手を差し伸べられたという。
「今はかつて付き合いのあった地下アイドル事務所の“倉庫”に、エアベッドを膨らませて住んでいます。仕事もライブの手伝いから、社長の犬の散歩まで……。月給5万~6万円ですが、以前よりもマシな生活です」
落合さんは、賃料を3か月間滞納したこともあり、トランクルームから追い出され、その後は、ほぼホームレス状態でしたが、記事のお陰か、倉庫へ住めることになりました。
助けてくれた知人が地下アイドル事務所の社長でしょうか。
今ではわずかとは言え、月給もあり、以前よりはましな生活になりました。
「頼れる親類もいないので社長には感謝しかない。冬は底冷えでキツいですが、それでも貸倉庫よりは100倍マシです」
本人も現在の生活には、満足しているようです。
「今まで幾度となくハローワークには行ってきたが、結局紹介されるのは日雇いと大差のない低賃金の仕事ばかり。40代後半でイチから就職して20代と一緒の平社員はどうしても厳しい。もう、国なんて信用できない。今さら幸福な老後なんて迎えられるわけがない」
ですが、就労の話については、いい条件の仕事がないとのことで、意欲がわきません。
いつまでも社長の好意には、頼ることはできないとは思いますが、本人は、社会への不満を抱えたままです。
数か月経ったら、またこの人の追跡記事を書いてほしいと思いますが、意外とまたトランクルームに戻っているような気もしますね。
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