平成は、今日が最後の日です。
明日からは令和という新しい元号になります。
昭和から平成への時は、昭和天皇が亡くなったので、日本全体が喪に服していて、今回とは全く違いました。
ちょっと重苦しい雰囲気があったように記憶しています。
今回は、穏やかに新しい時代を迎えます。
そんなときに天皇制について考えてみたいと思います。
こんな記事を書くきっかけになったのは、いつも読んでいるちきりんの以下の記事を以前読んだことを思い出したからです。
だから天皇制や男系維持を支持している理由も、「伝統だから」「神の国だから」「右翼だから」ではなく、たんに「日本にとってお得な制度だから」です。
ちきりんは、天皇制を支持しているのは、お得な制度という実利的な側面からと述べています。
天皇制が長年存続してきた理由としては、そういう面があったことは否定できないでしょう。
ちきりんは、皇室の外交において果たしてきた役割を以下の本を参考にしながら紹介しています。
そんな中、大きなリスクをとって先進国から初めて訪れてくれたのが英国のアレクサンドラ王女(1961年11月)でした。
元首でもないこの若い王女を、昭和天皇は自ら羽田空港まで出向いて迎えます。
敗戦後のまだ対日感情もよくない中、英国の王女が日本を訪問します。
先進国の王族としては、戦後、初めてでした。
首相などの政治家だったら、訪問できないでしょう。
選挙に落ちてしまうからです。
そのようなリスクは、とれません。
そんな中、英王室の王女が日本を訪問してくれたのは、戦前からの付き合いがあったからです。
昭和天皇は皇太子時代にイギリスを訪問し、英王室とも親交を深めていました。当時、両国の王室は極めて良好な関係にあり、しかも政治家と異なり、王室のメンバーはずっと変わりません。
これはとても大事な点です。
首相や大統領は数年ごとに人が替わるけど、王室メンバーは変わらない。だから、たとえ一時期、関係がこじれても修復が可能なんです。
ちきりんは、王室メンバーが長年変わらない点を指摘しています。
だからこそ関係修復が可能だとしています。
これが王室外交の有利さだということです。
こういった厳しい国民感情を地道に、そして着実に緩和してきたのが、いわゆる皇室外交です。
政治家の外交では、できないことをしてきたのが、皇室外交だというわけです。
実利的に考えて、こんな「お得な制度」を手放すなんて、ありえないと思うからです。
日本の国益にもっとも役立っているのは、平和憲法でも国民の勤勉さでもなく、「 1000年続いてきた天皇制を維持できているコト」です。
最後に、ちきりんは、天皇制は、お得な制度だと外交面から視点を当てて、結論付けています。
普段議論される天皇制とは、違った側面から見ていますが、こういう観点を理解することで天皇制を多角的に見ることができますね。
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