現在、通っている大学院の修士課程の同じ専攻からは、今年の3月に何人かの卒業生が出ました。
知っている範囲では、同じ大学の博士課程に進んだ人や高校の教員になった人などがいます。
ほかには、もともと働いていた人で、本来の仕事に戻った人もいます。
ですが、何人か、進路が不明な人がいます。
公務員になろうとして失敗して、公務員受験用の予備校に通っているという噂のある人もいるし、まったく情報のない人もいます。
しかし、まだ修士課程は、いいのかもしれません。
博士課程の方は、文科系のせいか、それにふさわしい就職先が決まったという話を聞きません。
先ほど触れた修士から博士に行った人もその先が厳しそうです。
そしがやは、リタイアしているので、もう卒業後の進路を考える必要もないのですが、若い人は、奨学金も返さなくてはいけないので、大変です。
そんな大学院の学生のことを取り上げた記事を読みました。
最近、ネットで大きな話題になったのが、2016年に逝去した若手の日本思想史研究者・西村玲(りょう)さんについて報じた『朝日新聞』の記事だ(2019年4月10日付け)。
西村さんは2004年に東北大学で文学博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員(SPD)に選ばれ、さらに2008年に出版した著書『近世仏教思想の独創─僧侶普寂の思想と実践─』は日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞を受賞するという、輝かしい業績を持っていた。
この記事は、初めに輝かしい実績を持ちながら、自ら死を選び、亡くなった若手の研究者について触れています。
だが、西村さんはそれだけの業績にもかかわらず、20以上の大学に応募したが常勤のポストに就くことができなかった。日本思想史という、昨今の大学では好まれない「役に立たない学問」を専門にしていたとはいえ、あまりにもひどい話だ。
この記事では、死を選んだのは、大学で仕事に就けなかったことだけではなく、結婚した夫が精神疾患を持っていて、彼女自身も病んでしまったことも死の理由としてはあると述べています。
非常勤講師は5年で「雇い止め」が多い
とはいえ、(広い意味では過去の私も含めた)わが国における人文系の大学院出身者の就職難や生活の困窮という問題は非常に深刻だ。非常勤講師の職業は5年勤務すると自動的に「雇い止め」に遭うことが多く、助教などのポストに就くことができても、その多くは任期制である。
人文系大学院出身者の就職難に関しては、厳しいのは、確かです。
期限付きの仕事にしか付けない場合が多いようです。
加えて言えば、不器用なタイプの人はいっそう追い詰められやすい。知識は豊富だがアウトプットが下手だったり、「コミュ障」だったり外見の清潔感がなかったりと、一昔前ならある程度までは笑って許されていた変わり者の知識人タイプの人が、いよいよもって「詰む」ようになっている。
やはり研究者といえどもある程度は、常識と要領のよさが必要なようです。
先週出席した授業には、博士課程在籍者とともに修了者が一人参加していましたが、定職には、就いていないように見えました。
だが、そんなB君の年収は150万円ぐらいだ。昨年度、非常勤講師として勤務していた某大学で雇い止めに遭い、現在の職業は大型スーパーのガードマンである。
この記事では、博士課程を修了し、優秀なのに、年収150万円の男性が紹介されています。
そしがやが先週出席した授業の博士課程修了者がどの程度の年収があるかは、わかりませんが、この記事で紹介されているガードマンをしている男性とそんなに変わらないような気がします。
ですが、現在の仕事や年収について直接本人から聞くのは、ちょっと怖いですね。
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