今から思うと29歳のころは、仕事や職場の人間関係が嫌になることはあっても、辞めるという選択肢があるとは考えもしませんでした。
それに辞めたいという気持ちになっても、当時の資産からすると到底その後の生活ができないことは間違いないものでした。
ですが、人によっては、条件が満たされて、そういう選択を検討している人もいるようです。
いつも読んでいるマネープランクリニックにこんな相談が載っていました。
▼相談内容
仕事が嫌になったのでセミリタイアを考えています。月8万円程度稼ぐためアルバイトする予定で、かつ親から2000万円相続する予定です。このままセミリタイアして生活していけるかどうか気になっています。セミリタイアについてはできるだけ早くと考えています。ちなみに配当が年20万円ほどあります。
相談者は、29歳の男性です。
収入は、月額30万円で、支出は、実家暮らしということもあってか、月に6万円になります。
資産は、1500万円です。
父母と同居していますが、これから2000万円を相続します。
それに対するFPのアドバイスは、以下の3点です。
アドバイス1 生活費が今と同水準なら老後に貯蓄も可能
アドバイス2 辞めると決めたなら早い方がいい
アドバイス3 マネープランの中に社会との関わりを
今回の相談者に対しては、FPは、アドバイス1で述べているように、比較的楽観的なアドバイスをしています。
月6万円と支出が少ないことや完全なリタイアではなく、月8万円程度のアルバイトをするセミリタイアということもあるかもしれません。
そしがやがもしこういう条件があったら、29歳でもセミリタイアしていた可能性があります。
ただ今後の課題としては、FPも最後のアドバイス3で指摘しているように社会との関わりだと感じました。
この相談者からは、社会との関わりが見えてきません。
本人は、できればアルバイトもしたくないと考えているようですが、これで働くこともしないとなると、今後の生活そのものがどうなってしまうのか、とFPも憂慮しています。
マネープランとは無関係の話のようですが、人生を豊かにすることがマネープランの目的でもあります。そのためには、一定の人や社会との関わりはやはり不可欠です。まだまだ時間はあります。まずは退職されて、今後の自分をゆっくり考えてみて下さい。
リタイアのそもそも論になっていますが、何のために会社を辞めるのかをしっかり考えることが大事だということはこの指摘の通りでしょう。
やはり人生を豊かにするためだと思います。
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