いくつかいつも読んでいるブログがありますが、その中のひとつ正吉さんのブログに面白い記事がありました。
「働かないアリには意義がある」という本を取り上げています。
これは、以前注目されたことのある本で読んでみようと思っていましたが、結局読まなかった本です。
正吉さんがざっくりとこの本のポイントを述べていますので、紹介してみましょう。
★みんなが疲れると社会は続かない(P72)
みんながいっせいに働くほうが常に労働効率はいいのです。
しかし、しかしです。仕事が一定期間以上処理されない場合はコロニーが死滅する、という条件を加えて実験をすると、なんと、働かないものがいるシステムのほうが、コロニーは平均して長い時間存続することがわかったのです。
意外な結果ですね。
働かないものがいる方が長い期間持続するというのは。
でもこれって、アリだけではなさそうです。
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みながいっせいに働くシステムは、同じくらい働いて同時に全員が疲れてしまい、誰も動けなくなる時間がどうしても生じてしまいます。卵の世話などのように、短い時間であっても中断するとコロニーに致命的なダメージを与える仕事が存在する以上、誰も働けなくなる時間が生じると、コロニーは長期間は存続できなくなってしまうのです。
アリの場合、みんながずっと働いているイメージがありますが、それだと疲れてしまう時が出てきてしまうのですね。
人間の場合も同じことが言えそうです。
つまり誰もが必ず疲れる以上、働かないものを常に含む非効率的なシステムでこそ、長期的な存続が可能になり、長い時間を通してみたらそういうシステムが選ばれていた、ということになります。
働かない働きアリは、怠けてコロニーの効率をさげる存在ではなく、それがいないとコロニーが存続できない、きわめて重要な存在だといえるのです。
働かないものにも、存在意義がちゃんとあるのです。
最後の言葉に勇気付けられました。
自分の働いてきた年月を思うと、ずっと「働かないアリ」だったかな、と思うときがあります。
なんとなく仕事に夢中になれなかったりして、いつも職場や同僚と距離を置いてきたような気がします。
そんな人間は、そしがや以外にもどんな職場にも不思議なことに必ずいました。
でも、どんな集団にも必要だったんですね。
人類がこんなに長い間生き延びできたのは、そんな理由があったのかもしれません。