現在、大学院の科目履修生として通学していますが、仕事をリタイアしたと思われる高齢の学生の姿をキャンパスで見かけます。
同じクラスにも一人います。
以前は、大学や大学院というと20歳前後の若者だけの世界だったのですが、少しづつ日本の大学や大学院も変わりつつあるようです。
米国でも同様でそのような傾向について触れた記事を読みました。
米国ではいま、2万人の高齢者たちが、大学が彼らのために用意した施設で暮らし、キャンパスで学びながら老後を満喫しているという。ベビーブーマー世代の高齢者と大学の双方にとって有意義なこのプロジェクトを、英誌「エコノミスト」が取材した。
米国の特徴は、キャンパス内に高齢者向けの施設があり、暮らしているということです。
日本だと通学する高齢の学生はいても、暮らすための施設があるという話を聞いたことはありません。
「ミラベラ」は、アリゾナ州立大学のキャンパス内にある20階建ての「大学連携型リタイアメント・コミュニティ」で、300人以上の高齢者が暮らしている。2020年の開設時には、パンデミックの最中だったにもかかわらず、ほぼ満室となる盛況ぶりを見せた。
この記事で取り上げられているのは、300人以上の高齢者が暮らしているアリゾナ州立大学の施設の例ですが、やはりキャンパスが広いアメリカならではのことでしょう。
施設内には4つのレストランがあり、学食より質の高い食事を提供しているほか、アートスタジオ、プールとジム、ゲームルームなどの設備も整っている。2階だけは施設らしい雰囲気が漂い、記憶障害ケアセンターと、24時間介護が必要な入居者向けの部屋がある。
キャンパス内の老人ホームから通学するといったところでしょうか。
受講許可証が発行されるため、学生と同じ授業や文化イベントに参加できるうえ、試験免除という特典が付いているようです。
そしがやが通っている大学院の授業は、試験免除といった特典は無論ないのですが、逆に試験免除ということになると授業に対する緊張感がなくなってしまうような気もします。
またキャンパス内に高齢者向け宿泊施設があるというのは、大学が郊外にあり、学生寮が構内にあるアメリカの大学としては、当然の発想かもしれません。
日本で言えば、キャンパスの広い郊外にあるような大学なら同様の発想で高齢者向けの施設を併設できそうです。
少子化で若年層の学生が減少する中で生涯教育としての大学の役割が増大する中、こういった事例も日本の大学にとって参考になるかもしれませんね。