2024年1月から新NISAが始まりましたが、その影響もあってか、日経平均は上昇をしています。
そんな新NISAですが、一般的には、専門家の間でも評価が高いようです。
ですが、そのデメリットを強調する記事を読みました。
テレビ等のメディアによく登場する荻原博子によるものです。
この記事では、萩原博子は新NISAの4つのデメリットを紹介しています。
1「ナンピン買い」が難しい
「ナンピン(難平)買い」とは、保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しをして平均購入単価を下げる買い方です。
新NISAでは、1年間で成長枠では240万円までしか購入できないので、ナンピン買いに制約があるというものです。
彼女は、デメリットとして挙げていますが、240万円という制約はあるもののまったくナンピン買いができないわけではありません。
2.「損益通算ができない」
「損益通算」とは、株式取引の赤字部分と黒字部分を相殺することです。
ただこれって、今回の新NISAの制度上のルールなので、デメリットとは言えないのではないかと思います。
通常の証券口座とは別に非課税の口座を認めるという仕組みなので、最初から損益通算ができなくて、当然と言えば当然でしょう。
3.「損失繰り越しができない」
「損失繰り越し」とは、株取引で出た損失を翌年以降最長3年間、繰り越しすることができるというものです。
これが新NISA口座ではできないという指摘です。
これも2の「損益通算ができない」と同様に制度上の仕組みなので、デメリットと言えないでしょう。
4.「口座を一人一口座しか持てない」
「新NISA」の口座は、一人一口座しか持てないのがデメリットだと最後に述べていますが、経済評論家がこのような発言をするって、ちょっと信じられません。
もし制限を設けなければ、無制限になってしまいますから、制度が維持できなくなってしまいます。
上限を設けるのは当たり前です。
なぜ萩原がこのように新NISAに否定的かというと以下のような考え方があるからのようです。
なぜなら、金融庁による「新NISA」のPRを見ていると、投資というのは長期で資産形成をしていくもという刷り込みが強く、「売り買いで機動的に儲けていく」という投資の本質が薄められているからです。
つまり萩原にとって、投資というのは、短期的な売り買いで儲けていくのが本質だというのです。
長期的に資産形成をしていくというものではないようです。
今回の国によって新NISAが作られた理由は、一般の国民の長期的な資産形成を狙っているものです。
萩原は、そのあたりの国の狙いをつかめていないようにしか思えません。
投資には、もちろんリスクはありますが、今回の記事は、4つのデメリットを強調するばかりで、せっかくできた新NISAという有意義な制度から国民を遠ざけているだけです。
経済評論家を名乗っている人間の記事にしては、ちょっと残念な内容でした。