60歳でリタイアするときには、その後の資産の変化のシュミレーションをしました。
90歳まで生きるという想定です。
その90歳の時点では、資産は、葬式代程度の金額を残して、ほぼなくなるという結果でした。
両親共80歳代で亡くなっているので、まず90歳までは生きることはないだろうと考えていました。
実際にリタイア生活を送ってみると年金が満額出るようになった65歳までは、想定通りでした。
ですが、一昨年、昨年は、シュミレーションより資産額は、2年連続で増えるという予想外の結果になりました。
昨年は、株高で収入が増えたということが大きかったです。
一昨年はコロナ渦で旅行等ができなくなり、思っていたより支出が少なかったということがありました。
60歳当初は、資産は、毎年減っていくものだと想定していましたが、この2年間は、その想定をいい意味で裏切りました。
ひょっとしたら、このまま資産は、たいして減ることもなく一生を終えるのではないか、とも思えてきました。
そんな中、「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」という本を読みました。
この本によるとアメリカ人の60歳から90歳までの退職者では、退職前に50万ドル(5200万円)以上の資産を持つ人は、20年後や死亡するまでに資産の11.8%しか使っていない。
88%以上の資産を残して亡くなっている。
また退職前に20万ドル(2100万円)以上の資産を持つ人は、退職後の18年で資産の25%しか使ってしない。
75%は残っている、というものです。
この本の結論は、だからこそお金を残してももったいないから積極的にお金を使い、亡くなる時には、資産ゼロで死ぬべきだというものです。
そのためには、45歳から60歳の時点で資産を取り崩し始めようという主張です。
お金は使い切って死のうというのは、今までのマネー本にはない、ぶっ飛んだものです。
最初のアメリカ人の退職者が意外とお金を使っていないということは、多分、退職前に読んでいたら、そんなことないだろうと考えたでしょう。
ですが、今、年金を満額受け取り始めて、実際にそしがやの例に当てはめてみるとまんざらアメリカだけのことではないとも思えます。
年金をもらってみると意外と収支は、贅沢をしなければ、トントンに近いのです。
ひょっとしたら、このまま資産の大半を残したまま死ぬかもしれません。
ただこの本の結論については、そうではないと感じています。
資産額が毎年減っていくというのは、分かっていても不安なものです。
リタイア後は何があるかわかりません。
加齢が進めば病気になる可能性は高まります。
ちょっとした入院でもそれなりにお金がかかります。
それに妻には、ある程度のお金は残したいとも考えています。
そんなわけで亡くなる時に「ゼロで死ね」という主張には、かなりの違和感があります。
あの世まで財産を持っていくことは勿論できませんが、亡くなる時には、ある程度の資産を残して死んでいきたいというのが、普通の気持ちなのではないかと思っています。