今から30年ほど前、バブル全盛期の頃、そしがやは、30歳代でしたが、下の20歳代の世代では、公務員を途中で辞める職員が結構いました。
民間の方が給料がよかったので、転職したのです。
また、そのころには、4月1日になっても入所するはずの新人が職場に現れないということもよくありました。
民間の方へかなり流れていたのです。
景気の良い民間に比べて、公務員は、人気がありませんでした。
その後、バブルが崩壊して、公務員を辞める人は、ほとんどいなくなりました。
民間と公務員の場合とは、違うと思いますが、民間会社を早期退職した人の記事を読みました。
「47歳のとき、25年間勤めた会社を早期退職しました。自己都合退職より600万円上乗せの2000万円の退職金を選んだわけですが、今では後悔しかありません」
そう嘆く元中堅精密機器メーカー社員の水原修治さん(仮名・55歳)だが、決して退職金に目がくらんだわけではない。
47歳の時に会社を辞めた水原さんのケースです。
会社の業績が悪くなってきたので、いろいろと不安を感じてきたようです。
「毎年ホテルで開いていた本社の忘年会を社内で行うようになったり、1泊の出張費が5000~1万円単位で減額になるなど露骨な経費削減に危機感を覚えたからです。また、同年代やひとつ上の世代のエース級社員が次々と辞めていたのも不安を感じました」
確かにこういうことが重なると転職を考えるものかもしれません。
退職後は知人のツテを頼り、食品加工会社にすぐ転職しましたが、3年前に合併して、別の企業グループの傘下に入って賃金体系が見直されました。
転職前630万円あった年収は430万円になってしまいました。
半面、元の会社は、不採算部門の閉鎖などでスリム化を図り、主力事業に集中させた結果、業績がV字回復したとのことです。
いま勤めている食品加工会社が扱っているのは、消費が停滞している内食(家庭内での調理)頼みの商品です。
これからの伸びがあまり期待できない分野のようです。
転職前にもっと業界の安定性や将来性を研究するべきだったと水原さんは後悔しています。
それに、早期退職による600万円の上乗せ分は、年収が200万円ダウンしたことで3年で帳消しになってしまいました。
転職は、うまく行ったケースもあるんでしょうが、こういう事例の方が多いような気がします。
会社を辞めるか否かの見極めには、業界分析が不可欠ということか。
最後には、この記事は、こう結んでいますが、一時の不安感だけで転職するべきではないということでしょうね。
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