40年前に公務員になったころ、職場には、女性の管理職は、まだ珍しかったです。
ですが、その後、女性の管理職は、増えてきました。
公務員の場合は、男女で条件に差がないので、女性でも能力があって、希望すれば、管理職への道が開かれていたのです。
とはいえ、多くの女性は、そこまで出世したくないようで、公務員全体の割合でいうと女性が半分ほどには、なっていたにも関わらず、女性の管理職の割合は、全体の1割もいなかったように記憶しています。
民間企業だともっと少ないかもしれません。
そんな日本女性の出世についての記事を読みました。
家事・育児の分担や家族のあり方を研究してきた立命館大学教授の筒井淳也先生は、日本女性のキャリア志向は世界的に見て低いと指摘します。私たちのキャリアアップを阻む2つの壁とは――?
筒井教授は、日本女性のキャリア志向の低い理由として、以下の二つを挙げています。
1つ目は、日本的雇用。日本の大企業で出世しようと思うなら、転勤・配置転換・長時間労働を受け入れる前提になります。特に、今年19年6月に炎上したカネカの件のように、転勤を受け入れるのは大変です。夫も妻も転勤ありの会社で子育てをするのは難しいでしょう。しかし、会社は容赦なく転勤を命じることが割とよくあります。
まず初めは、転勤、配置転換、長時間労働という日本的雇用が問題だとしています。
そしがやは、地方公務員だったので、転勤は、なかったのですが、公務員でも国家公務員だったら、転勤があるし、民間でも全国企業の場合は、当然あるでしょう。
そしがやは、兄弟に経験者がいたので、その大変は、わかります。
出世すれば、その負担は、ますます増えます。
日本社会の特徴の2つ目は、公的雇用が少ないこと。諸外国では、公務員は女性職で、女性のほうが圧倒的に多いのです。例えば北欧諸国は、公的雇用を通じて、女性の社会進出を支えてきました。しかし日本は、政府による雇用創出の利益を得られているのは、男性が多い。せっかくの公的雇用なのに、女性を活用できていません。
次にこの記事では、公務員が少ないことを取り上げています。
公務員の存在が、女性の進出につながるというものです。
ですが、日本では、公務員は、いつの時代も批判の対象になってきていて、増やすのには、かなり抵抗があります。
その結果、そしがやのいた職場でも毎年正規の職員は、減っていて、増える行政需要に対しては、民間委託をしたり、非正規の職員を増やしたりして、対応してきました。
こういうことが結果としては、女性の社会進出を妨げてきたというものです。
確かにこの二つの理由は、当たっている面があると思います。
この記事では、具体的な解決策を提案していませんが、それは、専門家にとっても難しいのでしょう。
この記事は、問題提起だけで終わっています。
ただ、言えるのは、高齢化を中心とした日本社会の変化に伴って、いままでの転勤、配置転換、長時間労働を受け入れないと出世できないという今までの日本型の仕組みは、成り立たなくなるような気はします。
それは、女性だけでなく、男性にとっても望まないものです。
そしがやの知る範囲でも、女性だけでなく男性にも出世を希望しない人は、結構いたからです。
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