先日、ボランティアで新宿の都庁へ行く途中、高層ビル街に続く地下道でホームレスらしき人を見かけました。
最近としては珍しいことです。
30年ほど前には、新宿駅西口から高層ビル街へ向かう途中には、段ボールで作った小屋がたくさんあり、ホームレスであふれていました。
そんなホームレスの人がどこへ行ったのか、気になっていたのですが、トランクルームに住んでいる人の記事を読みました。
窓のない約1畳半の貸し倉庫に住む
「バイトや派遣で生計を立ててきましたが、3年前の派遣切りでアパートの家賃が払えなくなった。友人宅を転々とするも数か月で限界に……。そこで敷金・礼金の必要ない貸倉庫に住むことにしたんです」
44歳の落合さんは、本来は、寝泊りが禁止されているトランクルームに住んでいます。
広さは、1畳半で契約額は2万円です。
トランクルームは、一度部屋の荷物を預かってもらおうと見学に行ったことがありますが、まさか住む人がいるとは思いませんでした。
「窓がない密閉空間で、24時間電気はついている。携帯電話がなければ昼か夜かもわからない。カビとホコリの混じった臭いも酷く、とても人が住める環境じゃない。エアコンもないので夏場は蒸し風呂状態。最初の1か月は気が狂うかと思いました……でも、日雇い中心で月収10万円、年収100万円台では、ほかに行くアテもありません」
そしがやも見学に行った時に感じたのですが、とても住める場所には、思えませんでした。
それにエアコンもないのですから、東京の酷暑を過ごすのは、大変です。
「ほかにも倉庫に住んでいる人がいる。物音が聞こえることがあるんです。今じゃ足音だけで誰かわかりますね(苦笑)」
そんな中、他にも住んでいる人がいるというのです。
これもビックリです。
落合さんのようなケースが例外ではないようです。
それにいろいろとトラブルも多いとのこと。
「廊下の電源を借りてDVDプレーヤーを充電していたら、一瞬で盗まれた。以前、部屋が荒らされた形跡もありました。だからといって、隠れ住んでいる僕が管理会社や警察に訴えるわけにはいかない。また、つい先日は部屋のドアをこじ開けようとした倉庫荒らしに遭遇し、必死で内側から押さえ続けました。寝るときは扉にマグネットを2つつけ、割り箸を渡して“施錠”しているほどです」
犯罪に遭っても隠れ住んでいるので、警察に訴えることもできないません。
これは、ちょっと辛いですね。
こんなトランクルームに住んでいる落合さんも30年前だったら、新宿の地下道のホームレスになっていた可能性があります。
それに比べれば、まだトランクルームは、マシなのかもしれません。
それにしても思うのは、月収10万円あるのなら、安いアパートになぜ引っ越せなかったのかということです。
安いアパートもあるはずです。
リタイア系のブログを読んでいるとその程度の収入でも普通にアパートに住んで、暮らしている人は、結構います。
こんな苦労をするくらいなら、どうしてそういう選択をしなかったのか疑問に感じました。
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