以前、橘玲の「専業主婦は約2億円の損」という本のことを記事にしました。
仕事をしないで専業主婦だと約2億円の損だという内容のものです。
そんな本に対して、専業主婦からの反論の記事を読みました。
女性正社員の平均年収574万円って、ちょっと高いハードルなんじゃないですか?
男性だって25~29歳では平均年収378万円ですから。
きっとピーク時には年収700~800万円を稼ぐ女性なんでしょうね。平社員なら首都圏の名だたる大企業、そうでなければ中間管理職ってところでしょうか。
ということで、ここで「2億円の損」の論理の飛躍を1点指摘できましょう。「専業主婦が2億円損する」のではありませんね。
「将来有望な女性正社員が離職するのは2億円の損」 なんです。非正規雇用の女性なんて、そもそも論外なんですね。
この記事では、2億円の損というのは、必ずしも普通の専業主婦が損するということではなく、かなり恵まれた女性正社員が離職するときのものだと指摘しています。
確かに非正規では、そんなに稼げないですね。
また結婚して子供ができても職業を続けている女性の実態についても書いています。
完璧さを求められる家事と仕事との間で苦悩する実態があります。
例としては、2児の母で経営コンサルタントとして活躍している女性のケースが紹介されていました。
仕事と家事をこなすために、夜10時に寝て、朝3時に起きるという生活を続けているようです。
家事に対して完璧さを求められる日本ならではのことかもしれません。
これとは対照的に、女性の社会進出が進んでいるノルウェイの事例が取り上げられています。
夕食としては、冷凍ピザをチンして終わりといった風な、日本人から見るとかなりの手抜きとも思われるようなことがあるようです。
女性の社会進出が進むためには、これでもいいという割り切りが必要なんでしょう。
ともかく、対価が収入としてはっきり表れないので見過ごされがちですが、専業主婦も「仕事」をして価値を生産しているんです。
けっこうやりがいと歯ごたえのある「仕事」なんですよ。私は選んで就きました。ですから何卒、その分の価値は「約2億円の損」から差し引いてほしいです。
この記事では、手抜きではなく、きっちりと家事をこなす専業主婦をしっかり評価してほしいと強調しています。
結論としては、けして専業主婦は、約2億円の損ではないとも主張しています。
そんなライターも専業主婦の弱みを最後に書いています。
「私は会社を辞めようとしているけど、ほんとうに離婚しないと言い切れるんだろうか」 って。結婚や妊娠・出産のタイミングで…。
それって、離婚です。
離婚して、シングルマザーになった時のリスクが大きいと述べています。
よくシングルマザーの貧困が伝えられますが、仕事さえ続けていれば、回避できたものです。
専業主婦を続けているこの記事のライターもその点は、強く訴えたいようです。
専業主婦を擁護しているようで、何だか最後は、橘玲と同じような結論になったようにも思えました。
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