老後破産とか、下層老人とか、メディアには老後の不安をあおるような言葉があふれています。
みなが貯金が充分にあるわけではないので、なおさらです。
msnニュースにこんな相談が載りました。
内容を紹介すると、
■相談内容
現在正社員で勤務していますが、持病が8つほどあり毎週通院で早退しています。健康な身体なら悩みも減るのでしょうが、これから年齢を重ねていくのに病気を抱えて不安です。毎月医療費に2万5000~3万5000円ほど。予期しない病気になった場合にはそれ以上の持ち出しとなります。貯金ができても医療費などで結局補充してしまいます。また、ペットの餌代や病院代金もかかりますし、会社帰りには300円程度のおやつも買ってしまいます。自由にできるお金も必要かと思い普通預金に貯金しているのですが、これがいけないのでしょうか?将来私が実家を相続した場合はマンションの管理費・電気代など1か月に4万5000円程度かかると親から聞いています。
相談の方は、41歳の女性の会社員で貯金が40万円しかありません。
独身で両親と同居しています。
収入は、月額17万円でボーナスは、年額で10万円です。
健康上の問題を抱えて、老後が不安なようです。
持病が8つもあるのが、かなりの不安要素ですね。
今までの相談の人とは随分違います。
ちょっとそしがやも読んでいて、自分がこの方だったら、どうしたらいいか分からなくなりました。
こんな方に対してのFPのアドバイスは、以下の3点です。
アドバイス1 収入が少なくても長期間働きたい
働き方については、まずは病気治療が優先するでしょう。と、同時に健康に考慮しつつ、継続して働けるのなら、ご本人が希望されているとおり、頑張って同じ職場で定年まで勤務することが望ましいでしょう。職場も通院などの事情を考慮してくれている。その意味では勤務先に恵まれたとも言えますし、今後、正社員での転職は難しいとなれば、なおさらでしょう。
また、現在の勤務先の定年が60歳としても、もし体力的に可能であれば、パートで構いませんので、1年でも長く働くことが重要になります。
これはできれば定年後も働くというのは、そしがやもそう思います。
公的年金が出る65歳まで、あるいはそれ以降も働くのが、手持ち資金の少ないこの方にとっては、懸命な選択だと感じました。
アドバイス2 年金受給の繰り下げで年金額を増やす
先に60歳以降もなるべく長く働くことが望ましいと言いましたが、実際に働くことができたなら、老齢基礎年金の繰り下げ受給、つまり65歳から始まる受給を先に伸ばしてはどうでしょう。
メリットは、1ヵ月繰り下げるごとに0.7%受給額が増額されるということ。仮に66歳0ヵ月まで伸ばすと増額率は8.4%、67歳で16.8%、68歳で25.2%になります。当然ですが、生活資金が足りない状況での繰り下げは意味がありません。また、それにより受給総額が通常受給よりも多くなるには、ある程度長生きすることが条件(目安として66歳受給で78歳)となります。それでも、受給額そのものを増やす方法であることには間違いありません。
年金受給の繰り下げという選択肢がありました。
女性の場合は、平均寿命が長いので、これは絶対お得ですね。
アドバイス3 個人年金保険のメリットを活かす
気になるのは、最近始めた年金財形貯蓄。確かに、天引きによって貯まってはいきますが、貯蓄商品としての利回りはかなり低いと言わざるを得ません。であれば、個人年金保険に切り替えるのも、選択肢のひとつだと思います。予定利率は決して高いとは言えませんが、それでも年金財形貯蓄よりも大きく増えるでしょう。
(中略)
困難な持病を抱えているということで、国や自治体の支援制度が受けられないのでしょうか。個人的に調べるより、専門の社労士に相談する方が確実です。
元自治体の職員としては、病気に対しては、いろいろな支援制度があることは、知っておいてほしいですね。
FPは社労士を勧めていますが、社労士でなくても、自治体のパンフレットを読み、窓口に相談するだけでも、支援を受けるのには、充分だと思います。
正直、8つも持病を抱え大変でしょうが、頑張ってほしいですね。
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