リタイア時までには、住宅ローンは絶対に完済しておくべきだという記事を以前、読んだ記憶があります。
それができないのなら、住宅ローンをすべきではない、というものです。
収入が年金だけになるリタイア後にもローンの返済が続くようだと、リタイア後の生活に悪い影響を与えるからです。
ですが、現実には、かなりの高齢になってもローンの支払いが続くような計画を立てた人もいるようです。
いつも読んでいるマネープランクリニックですが、今回のケースは、住宅ローンの返済が79歳まで続くという相談者のものです。
■相談内容
年の差夫婦です。住宅ローンの残債が多く、どう返済すべきか悩んでいます。現在、住宅ローンの残債が3000万円弱(昨年借り換え)、完済は夫79歳のとき。夫は定年退職後も雇用延長で65歳までは働けますが、給与はおそらく現在の6割くらいに減ってしまいます。私がその分何とか頑張って働きたいと思い、昨年末から働き始めたものの、持病もあり、フルタイムでは働けていません。転職をして、もっと長時間働ける仕事に就きたいとは思うものの、なかなか難しいです。
現在、私の給与は全額貯金し、借り換えで浮いた分(年間約30万円)と合わせての繰上返済も考えています。もちろん、退職金からも返済しますが、全額を使ってしまったら老後の資金がなくなります。夫は、せめてボーナス分だけでも完済し、月々家賃並みの返済にできればと言っていますが、現実的に、年金でそれでも暮らしていけるとは思えません。
また、保険料の負担がかなり大きいのではとも気になっています。もし余分なものがあるなら、その分を住宅ローン返済に回したいとも思います。車(普通自動車1台・軽自動車1台)の維持費も大きいのですが、田舎暮らしのため、働いている間は、基本的に車必須です。不安要素ばかりで、どこから手を付けてよいやら、素人考えでは限界があります。是非、ご相談に乗っていただけますようお願いいたします。
相談者は、44歳の女性です。
56歳の夫がいます。
月収は、夫婦合わせて、41万円です。
貯蓄は、800万円ほどです。
こういう相談を見るとなぜこんな無謀なことをしてしまったのか、疑問に思います。
持ち家信仰があったのでしょうね。
現在の住宅ローン残高が3000万円。
完済は、夫が79歳のときです。
この年まで働けるつもりでいたのでしょうか。
これに対するFPのアドバイスは、
アドバイス1 一部繰上返済をしても老後資金は途中で底をつく
アドバイス2 まずは今日から生活費を下げてみる
アドバイス3 思い切って定年時に住宅ローンを完済
FPも事態は深刻だと述べています。
一番の問題は、住宅ローンですので、アドバイス3で退職金でローンを完済することを提案しています。
そしがやもこれしかないと思います。
無論、老後資金が足らなくなる不安はありますが、60歳以降もローンを抱えるリスクの方が大きいと言っています。
相談者は、住宅を得た代わりに老後の不安を背負ってしまったようですが、なぜ、そのような選択をしたのかも知りたいところです。
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