そしがやの場合は、60歳の定年でリタイアしましたが、50歳くらいからリタイアを検討していました。
その時の資産の目安は、1億円でした。
1億円あれば、公務員を辞めても食べていけると考えていたのです。
結局、資産は、1億円に達することはなく、途中でリタイアはしませんでした。
現在は、いろいろなブログ等でFIRE(早期リタイア)に触れた記事を見かけます。
その時の資産の目安としては、やはり1億円というものが多いようです。
数字としてキリがいいからでしょう。
リタイアして8年経ちますが、実際にリタイア生活を経験してみて、50歳の段階でもし仮に1億円の資産があって、リタイアしたらと想像することがあります。
今から思うと実際にリタイアしていたら、かなり精神的にストレスのたまる、経済的にも不安を抱えたものだったという気がしています。
その理由を挙げてみます。
1 60歳前にリタイアすると意外と社会保険等の保険料がかかる。
60歳でリタイアして結構負担に感じたのが健康保険料などの社会保険料の支払いです。
リタイアした翌年は、共済組合の任意継続になりましたが、使用者側の負担金も払ったので、それまでの倍の負担になりました。
その後は、国民健康保険に加入しましたが、その負担が結構あります。
ただ健康保険料は、何歳で辞めてもかかるものなので、辞める年齢に関係がないと言えばないです。
しかし年金に関しては、50歳で辞めたとすると国民年金に加入しなければならないので、毎月それなりの金額を払う必要があります。勤めているころの共済組合は、天引きされていたので、負担感がありませんでした。
これって、大きいですね。
天引という負担感を感じさせない制度を発明した人はえらいです。
なお、国民年金は、令和5年現在では、保険料は、毎月16,520円です。
そしがやの場合は、妻も仕事をしていないので、二人とも収入がない中、2人分払う必要があります。
公的年金に関しては、現在年金を受給して、その有利さを分かっているので、支払いをしないという選択はないです。
ですが、毎月3万円以上の支払いというのは、結構な負担になるのは、確かです。
2 人生の不測の事態に対する備えとしては1億円では不安を感じる
長い間続いたデフレが終焉を迎え、現在は、インフレ傾向になっています。
毎月のように物価は上がっています。
そうなってみると50歳の時点では、それなりの金額であった1億円がこれからの人生の不測の事態への備えとしては、今となっては、必ずしも万全の金額ではないように感じています。
50歳の時点で辞めた場合は、60歳の時点で辞めた場合と比べると、その後の人生は、10年長くなります。
それにその10年間は、年金が受け取れない10年です。
1億円の資産は、必要な生活費を除いて、運用することになりますが、これからはどういう経済的な事件が起こるか分かりません。
リーマンショック級の暴落も起きるかもしれません。
そうなると1億円の資産は、半分近くまで減るでしょう。
その時に耐えられるかどうかです。
想像するに自信がありません。
仕事を続けているのならば、給与が毎月払われるので、大して気にならないかもしれません。
ですが、資産運用だけが頼りだとすると暴落時の精神的なダメージは大きいことは予想されます。
現在は、そしがやは、資産の約1割程度を株式で運用していますが、年金を受給しているということもあり、暴落してもそんなにダメージは受けないでしょう。
ですが、年金がなくて、資産のほとんどを運用していたら、その影響は、はるかに大きいです。
このように50歳の時点で1億円あったとして、FIRE(早期リタイア)した場合のことを想像してみました。
結論から言えば、仮に1億円あったにしてもリタイアしない方がよかったと考えています。
50歳の時点でいくら資産があったら、リタイアできるかと聞かれると、その答えは、分からないというのが正直な気持ちです。