大学院が夏休みになってからは、暑いせいもあって、必要最小限の外出しかしていませんが、先日は、以前通っていた大学のシニア向けのクラスの8人ほどのメンバーと会いました。
レストランで昼食を摂ってから、旧前田侯爵邸を見学しました。
入館料は無料です。
最寄りの駅は、井の頭線の駒場東大前ですが、駅からは、ちょっと歩きます。
途中、道を聞きながら邸宅がある駒場公園に10分ほどでたどり着きました。
旧前田侯爵邸は、現在駒場公園の中にあります。
もともとは、現在の公園の敷地全体が前田邸だったようです。
戦前の華族の豊かさが分かります。
石造りの門を入ると左手の木の間から和館が見えてきます。
さらに奥に進むと赤レンガ張りの洋館が姿を現します。
この和館と洋館が旧前田家本邸です。
前田家はかつては、加賀100万石の大名でした。
明治になってからは、華族令発布により、侯爵になりました。
屋敷は本郷にあったのですが、東京帝国大学の敷地拡張のため交換で駒場に移ってきたといういきさつがあります。
昭和4年から5年にかけて、移転後の駒場に地上3階地下1階の洋館と2階建ての和館を竣工させます。
当時は、使用人が100人以上もいたといいます。
私たちは、洋館から入りました。
ちょっと不思議だったのは、ほぼ西洋の洋館を思わせる建物にもかかわらず、靴を脱いで、スリッパに履き替えて入るということです。
当時の習慣がそのままになっているんでしょうが、やはりこれだけの洋館であっても靴のまま入るという生活には馴染めなかったのでしょう。
それが現在の日本の生活スタイルに引き継がれているということですね。
現在、一般に開放されているのは、1階と2階の部分ですが、1階には、晩さん会を開ける大きな部屋や応接室があり、公的な色彩が強いです。
2階は、家族のためのプライベートな空間で寝室や書斎があります。
面白かったのは、2階の女中部屋です。
そこだけは、畳の和室でした。
使用人たちは、さすがにプライベート空間では、洋風の生活は馴染めなかったのでしょうね。
あとさすがだと思ったのは、各部屋の暖房が集中暖房だということです。
暖房用のダクトが付いていました。
和館の方は、最初は作る予定はなかったようですが、外国からのお客向けに計画されたようです。
広い畳の部屋からは、日本庭園が見えました。
帰りは、駅前の喫茶店に寄ってから帰途に就きました。
暑い一日でしたが、それまでが引きこもり気味の生活だったので、久しぶりの外出を楽しめました。