この本の著者の穂高唯希は、FIREという言葉がまだ一般的になる前からブログでFIREについて語ってきました。
日本のFIRE第一人者とでも言うべき人物です。
そしがやもそのブログをよく読んでいました。
そのブログで述べられている彼の実行力には驚かされたものです。
そんな穂高唯希が書いた本を読みました。
著者は、14歳で金融に興味を持ち、慶応義塾大学在学中に北京大学留学、経済学を学びました。
会社員になってからは、給与の8割を高配当株・連続増配株へ投資し、金融資産約7000万円します。
月平均20万円超の配当収入を得る仕組みを形成して、30歳で退職しセミリタイア、FIREを達成したという人物です。
メディアでもいろいろと発言をしているので、ご存じの人も多いでしょう。
最初彼のブログを読んだ時には、誰にでもできるものではないという感想を持ちました。
給与の8割を投資するというのは、普通は無理です。
ブログを読んでいた時は、こういう人もいるんだとは思ったものの、誰にでもできる普遍性や再現性は、ほとんどないというのが、正直な印象でした。
一方、世の中には、いろいろな投資本があふれています。
いろいろな方法論がありますが、多分、正しいやり方のものをそのまま実行すれば、資産を増やし、若くしてFIREも可能でしょう。
ですが、実際にその通りにできる人は数少ないです。
多くの人は、そういった投資本を読んでそこで満足してしまって、実行しないままになってしまいます。
できる人とそうでない人の差は、何でしょうか。
著者は、その差は、主体性だとこの本では、述べています。
この本のテーマは、その主体性を高める思考法です。
ですから、具体的な投資のノウハウについては、あまり触れていません。
多くのページをを主体性を高める具体的な思考法に割いています。
投資本というより、自己啓発本と言えそうです。
以下のような章立てで思考法について具体的に述べています。
選択の思考法
遮断の思考法
対人の思考法
目標の思考法
集中の思考法
常識の思考法
価値観の思考法
全体を無理やりまとめて、一言で言ってしまうと、何事も自ら経験してみるということの大切さを説いているように感じました。
そういった具体的な体験の積み重ねが最後に「主体的に生きる」ことに繋がるということです。
無論、読んでみて、全体としては、共感できましたが、そうでないところもありました。
ですが、参考になる部分が多いので、読んで損のない本だと思いました。