通っている大学院には、教員や研究職を志望する学生が多いのですが、中には事務系の公務員を希望する学生もいます。
今年修士2年生の学生と先日話していた時に、「そしがやさんは、どうして公務員になったんですか」と尋ねられたことがありました。
彼は現在そしがやが所属している専攻では珍しく事務系の公務員を目指して、勉強をしています。
公務員というと一般的には、安定しているとか、簡単にはクビにならないとか、と言ったイメージで語られることが多いです。
民間に比べたら、会社がつぶれることもないし、景気が悪くてボーナスが出なくなることもありません。
そういう意味では、公務員は安定しています。
いままで公務員がリストラに遭ったというニュースを目にしたことはありません。
また福利厚生が充実しているからという面もあります。
有給休暇も比較的自由に取れるとかです。
民間だと会社にもよるかもしれませんが、簡単には取れないという話を耳にします。
他には公務員は、世間体がいいようです。
親も喜ぶし、親戚の手前もいいというのです。
特に地方だとその傾向が強いと思います。
少なくともそしがやの育った田舎町ではそうでした。
地方だと大企業が少ないせいもあるでしょう。
民間会社だと有名な大企業以外だとどんな会社か分からないので、親はつぶれないか、不安になる心配になるのかもしれません。
その学生は、そのような世間で言われていることは、承知していると思い、あまり言われていない理由を話しました。
それは、公務員の場合、試験が公平だということです。
田舎の役場の試験だとコネが重要だということが言われることがありますが、国家公務員や都道府県や大都市の政令指定都市の試験は、一次の筆記試験の成績が一番重視されるからです。
無論、そのあとに面接もありますが、多くの場合、一次試験で上位の成績を取っていれば、入所できます。
少なくともそしがやの頃はそうでしたし、現在もそのようです。
そういうことは、しっかりと筆記試験の勉強をすれば、公務員になれるわけです。
つまり公務員になる道筋が分かりやすいのです。
ところが、民間試験は、筆記試験があるところもありますが、多くは面接が重視されるようです。
そしがやにとっては、この面接というのが、どう対策していいのかわからず、試験官によって結果に差が出そうな気がして、公平ではないような気がしていました。
何か面接がブラックボックスのように思えたのでした。
この点がそしがやが公務員になった一番の理由でした。
そんなことを話すとその学生は、納得して、辛い公務員試験の勉強のモティベーションが維持できますと言ってくれました。
元公務員の経験が少しでも彼の今後に役立ったのかな、とその時には、感じましたね。