そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「年収1000万円で幸福度は頭打ち」の説は覆された



誰しもより高い収入を得て、幸せになりたいと思っています。

そのために仕事をしているわけです。

と言って、稼げば稼ぐだけ、幸せになるということではなく、その収入には限界があるというのが、今までの定説でした。

つまり年収800万円になるとそれ以上の収入を得ても、幸福度は、変わらないというものです。

 

長くそしがやもこの説を信じてきましたが、そんな説を覆す論文が発表されました。

 

president.jp

彼らはGallup社が実施する1000人の米国居住者を対象とした調査を用い、年収と幸福度の関係を分析した結果、「年収が6万ドル~9万ドル以上になっても幸福度が上昇しないこと」を明らかにしたのです。

 

この年収と幸福度に関する有名な分析は、2010年に公表された二人の経済学者による論文によるものです。

二人ともノーベル経済学賞を受賞しているということもあって、今までは、定説化していました。

要は、「幸せになるには7.5万ドル(6万ドルと9万ドルの中間の値)まで稼げばいい」ということです。

7.5万ドルの当時の為替レートの800万円が日本のいろいろな記事に引用されて、そしがやの頭にも「幸せになるには、800万円が最適だ」とインプットされてきました。

7.5万ドルは、現在の円安の為替レートだと1000万円ほどです。

 

幸福度が低いグループの人々では、年収と幸福度の関係がある一定で頭打ちになるが、幸福度が高いグループの人々では、年収の増加とともに幸福度の上昇傾向がさらに強まる、という結果でした。幸福度が高いグループでは、年収が10万ドル(約1300万円)以上になると幸福度の伸びが増強されており、非常に興味深い結果となっています。

 

今回の調査は、以前の研究から13年後の2023年に発表されたものです。

前回の結果が覆った結論になっています。

一言でいえば、「年収が7.5万ドル以上になっても、幸福度は伸び続ける」ということです。

今回の研究では、幸福度が低いグループと幸福度が高いグループに分けて分析したことが、これまでとは、異なる結論に至った理由のようです。

 

ただこの記事を読んで、この米国での調査の結果が日本にも言えるかどうかが、やや疑問に感じました。

米国は、日本以上に所得格差のある国です。

そういう国での調査がほかの国にも適用できるのか、ということです。

この点は、この記事でも指摘しています。

 

またこの調査では、幸福度の低いグループと高いグループとに分けていますが、幸福度というのは、かなり主観的なものなので、幸福度の高い低いをどういう基準で分けたのか、についても詳細を触れてほしかったと思いました。

 

今回のこの2023年の調査は、今までの定説を打ち破ったものなので、かなり意外なものでした。

日本でも同じような調査がなされると面白いと思いました。

個人的には、どのような結果が出るか興味深いですが、米国とは違う結果が出るような気がしましたね。