名探偵ポワロは、現在、何度目かの再放送をNHKBSでやっています。
毎週楽しみに視聴しています。
ほぼ全作品を見ているはずなのに、いまだに2度目3度目の放映を見ても飽きません。
そんな『名探偵ポワロ』シリーズの解説本を読みました。
この本では、テレビ化された全70話の「主要登場人物」「あらすじ」「見どころ」などを各作品ごとに2頁でまとめて紹介しています。
一度見た作品でもこの本の勧める「見どころ」に注目すると新しい発見があります。
また他のポワロ本にはない視点としては、当時のメイドなどの英国の家事使用人について詳しく触れている点があります。
ポワロシリーズでは、多くの場合、上流階級が舞台になっていて、田舎の豪華な邸宅に執事やメイドなどの使用人がたくさん登場して、1930年代半ばの英国の雰囲気が分かってきます。
筆者は、ポワロシリーズをテレビで見て、こういった英国の家事使用人について研究するようになったといいます。
この本では、何気なく見ているメイドのエプロンの詳しい説明があったりして、勉強になります。
そしがや自身がこのシリーズで魅かれるのは、もちろんアガサ・クリスティの原作の魅力もありますが、ポワロを中心とした、ヘイスティング大尉、ジャップ警部、ミス・レモンといったレギュラー陣が毎回登場して、ポワロとの何気ない会話を楽しむ点にもあります。
特に原作が短編の場合は、尺が短いので、ヘイスティング大尉以下の「ポワロ・ファミリー」が登場して、ドラマ独自のエピソードが多くなるのですが、それが楽しいです。
ポワロの人間味が増し、ポワロとの友情が実にほほえましいです。
ただこのシリーズの後半になるとテレビ局の方針が変わったせいか、「ポワロ・ファミリー」は登場しなくなるのが残念です。
このドラマは、1989年から2013年にかけて実に24年にわたって放映されました。
主演のポワロを演ずるデビッド・スーシェは、その間、ずっとこの作品のために多くのものをささげたようです。
彼の代表作になったもののドラマを続けるための犠牲もあったともこの本では、述べています。
そういうこともあってか、ポワロというとスーシェのイメージが強いのではないかと思います。
吹替の声優の熊倉一雄の声もポワロのイメージにぴったりでした。
他のヘイスティング大尉、ジャップ警部、ミス・レモンの声もすっかり俳優のイメージにあっていました。
まだまだ作品は、作品は残っているので、NHKの再放送は続くと思いますが、毎回楽しみにこれからも見続けたいです。