以前、住んでいた場所の最寄り駅には、交番があって、その先にスーパーがあり、買い物の際によく通りました。
ある時、中を覗くと警官と70歳くらいと思える高齢の女性が話しているのが見えました。
警官がいろいろと尋ねていますが、その女性は要領を得ないようで警官も困っているようでした。
その時には、どういうことかよく理解できませんでしたが、後で考えると徘徊老人を警官が保護したのではないかと思い当たりました。
多分、彼女は自分の名前も住所も分からなくなったものでしょう。
ですが、この女性にとっては、警察に保護されたことは、非常に幸運だったようです。
高齢者の行方不明者数が年々増加し続けている。桜美林大学の鈴木隆雄・老年学総合研究所長らの調査によれば、認知症で高齢者が行方不明になった場合、発見まで5日以上かかってしまった場合の生存確率は0%だという。
発見までに5日以上かかってしまうと生存率は、0%という衝撃的な数字です。
これは、かなり驚くべきものですね。
また2021年の60歳以上の行方不明者数は2万7097人にも上り、1日あたり74人程度が行方不明になっています。
行方不明になってしまう要因で最も多いのが「疾病関係」で2万3308人(2021年)ですが、そのうち「認知症又はその疑いによるもの」は1万7636人にも上ります。
つまり、高齢者で行方不明になってしまう人のかなりの割合が、認知症が原因だというのです。
以前、交番で見かけた高齢者も認知症だったのでしょう。
高齢者の生存確率は、当日に発見されれば82.5%、翌日なら63.8%、3~4日目は21.4%と下がっていき、5日目以降の生存者はいないことがわかった。つまり、高齢者が行方不明になってから、家族や知人の人がすぐに気づいて警察に捜索願いを出すか、自分たちで探し出さなければ命を落とす確率が高いということだ。
そんな高齢者の生存率は、発見が遅れれば遅れるほど低くなり、5日目にはいなくなるといいます。
東京都健康長寿医療センター研究所によれば、行方不明になった認知症患者に多い死因は溺死と低体温症です。
人生の最後が溺死や低体温症というのは、ちょっと悲しいですね。
認知症患者の家族や関係者が運よく本人を発見できる可能性は低い、と考えておいた方が良いだろう。まずは一刻も早く警察に連絡することをおすすめしたい。また普段から、外出時にはGPSで追跡できる端末を持たせておく、などの対策もすべきだろう。
対策としては、以上のほか、各地の地方自治体が設置している「見守りネットワーク」(消費者安全確保地域協議会)を普段から利用することも勧めています。
そしがやは、60代ですが、何か、こういう記事を読むと身につまされますね。