医者というと日本では、尊敬される職業で経済的にも恵まれていて、子供がいたら、医者にしたいと考える親は多いと思います。
以前、4人の子ども全員を東大の理三(医学部進学コース)に入学させた母親の記事を読んだことがあります。
その記事は、その母親の子育てをやや理想化するような内容でした。
ですが今回目にした記事の母親は、2人の息子を医者にしたのに今は生活保護に追い込まれているというかなり対照的なものです。
収入面や社会的地位の高さから「医師」は憧れの仕事であり、昔から結婚相談所でも人気の職業だといいます。海老沢楓さん(62歳/仮名)は大学卒業後、医者一族の息子と結婚。開業医の妻として子育てに奮闘し、見事2人の息子も医師となりました。しかし、いま彼女自身は独り身で、生活保護を受けることになりそうな状況です。彼女に一体何があったのでしょうか。
この記事の主人公の楓さんが、医者一族の息子である夫と結婚した時は、楓さんには重いミッションがありました。
2人の息子を何が何でも医者に育て上げなければならないというものです。
楓さんは、塾の人気講師を引き抜いて兄弟の専属家庭教師にしてしまうような“教育ママ”になり、そんな苦労が報われて息子は2人とも見事に医学部に合格しました。
しかし一方で、大きな問題が起きていました。
夫婦関係の悪化と家計の崩壊です。
息子たちの学費は、6年間で一人2500万円程度。3歳差の兄弟のため2人同時に大学に在学している期間もあり、裕福な海老沢家も一気に火の車になってしまったのです。
それに夫の浮気です。
息子たちに医者なった途端、家を出て、浮気相手のもとに走ってしまいました。
その後いろいろな経緯があり、楓さんは、離婚して住む場所もなくなり姉夫婦の家に身を寄せました。
ですが、いつまでも姉夫婦の家に居候をするわけにもいかず、年金7万円のみとなり、どうしようもなくなって、フィナンシャル・プランナーの元に相談に訪れたとのことです。
ここまで来ると楓さんには、2人の立派な医者の息子がいるじゃないか、という声がきこえてきそうです。
しかし、親子関係は断絶状態で、子どもたちが彼女を助けてくれることはないと言います。
普通だと夫と離婚しても息子たちからの援助と年金でどうにか暮らせそうですが、皮肉なことに彼女が一生懸命に医者にするために努力したことが息子たちには、大きな負担だったようです。
海老沢家も、2人の息子の教育費と夫の浮気で資産はほとんどなくなってしまい、楓さんがもらえたのは200万円ほどの現金だけ。まだ62歳で、この先の収入の目処もありません。現在、司法書士の方にも入っていただき、子どもたちから本当に援助が受けられないと認定されれば、生活保護を受ける可能性が高くなりそうです。
そんなわけで現状は、生活保護を目指しているようです。
ここまでこの記事を読んでくると楓さんの人生って何だったのか、としか思わざるをえません。
資産家と結婚して子どもを持ったところで、最終的に頼るべきは自分自身。楓さんの例を反面教師に、いつ一人になったとしても食べていけるだけのスキルやキャリア、人脈を身につけておくこと。自分自身が自立している方がパートナーとの関係がうまくいくケースが多いような気がします。そして専業主婦であっても最低半年分の生活費くらいは貯金しておくことをぜひ、心に留めておいていただけたらと思います。
最後には、この記事では、資産家と結婚しても自分自身が自立することが大切だと強調しています。
その通りでしょう。
この記事が述べているように多分、自立していた方のが、今となってはもう遅いのですが、夫とも息子たちともいい関係が保てたような気がしますね。