先週から大学の新学期が始まり、大学のキャンパスは、新入生であふれています。
一昨年のコロナ渦の時には、大学の授業がほぼオンラインになり、大学が新学期になっても学生の姿を見ることが少なく、閑散としていたのが嘘のようです。
最寄り駅からキャンパスへ続く桜並木の桜は、もう散ってしまったのですが、新入生が入学して、大学は華やいでいます。
やっと本来の大学の姿に戻ったかのようです。
そんな新入生の姿を見るとそしがやが入学したころを思い出します。
50年近く前のことです。
田舎から東京に出てきて、生まれて初めての一人暮らしで期待と不安がありましたが、親から離れて、暮らす開放感の方が強かったです。
都内の親類の家に間借りしたので、家賃は必要なく、月2万円親から仕送りを受けていました。
それに月1万2千円の奨学金です。
月3万2千円で暮らすというのは、当時でも少ない額でしたが、家賃が必要なかったので、どうにか暮らして行けました。
途中、オイルショックで急激な物価上昇があったり、親類の家に間借りできなくなり、アパートを借りたりで、最後の4年生の時には、月5万円の仕送りを受けるようになりました。
つまり奨学金と合わせて、6万2千円で暮らしていたわけです。
その当時は、現在のデフレとは異なり、インフレでしたから、毎年のように生活費も上がるというが普通でした。
その後、50年ほど経ちましたが、今の大学生の仕送りの平均額についての記事を読みました。
ここでは、東京私大教連が2020年4月に首都圏の私立大学・短期大学に入学した新入生の家計負担をまとめた「私立大学新入生の家計負担調査 2020年度」をもとに紹介します。
首都圏の大学や短大に進学した学生への1カ月あたりの仕送り平均は、8万2400円。この調査が始まって以来、過去最低金額となりました。今まで過去最低だった2018年度より700円も下がっています。この平均は出費が落ち着く、入学初年度6月以降の平均です。
この記事で取り上げられている数字は、2020年なので、少し古い数字です。
この年は、コロナの影響でほとんどの大学が授業をオンライン化して、学内に学生がほぼいなかった年です。
ですから、その後の2021年や2022年とは、違っているかもしれません。
それにしてもこの統計で分かるように2016年以降で一番金額が少ないというのは、驚きです。
いくらデフレと言ってもこの金額で首都圏で暮らして行くのは、大変そうです。
家賃の平均は6万4200円と、前年2019年度6万3400円より800円高くなっています。仕送り額に占める家賃の割合は、なんと77.9%。ほぼ8割と、この割合は過去最高とのこと。
1986年度では、仕送り額に占める家賃の割合は33.7%で、家賃の平均は3万4700円。仕送りの平均は10万3000円でした。ちょうどバブル時代のこの頃は、家賃も抑えられ、仕送り額も多く、今の学生とは全く違う仕送り事情だったようです。
さらにびっくりすることは、家賃額です。
仕送り額のほぼ8割を家賃が占めています。
残りの額では生活できないので、奨学金やアルバイトが必要になります。
バブル期の1986年は、仕送り額は今よりも多く、家賃も低かったので、現在の学生生活の大変さんが分かります。
今の大学生は、豊かな社会に生まれてきたので、恵まれていると思われがちですが、実際は、なかなか厳しいことが実感できる記事でした。