60歳でリタイアしてからバイトを経験したのは、大学の学部の試験監督だけです。
大学院の同級生がそのバイトをしていて、仕事の内容もラクだし、日当がいいということで勧められたからです。
バイトの内容はというと、教室に集まった学部生に対して、試験の問題用紙や解答用紙を配り、開始前に注意事項を読みあげ、試験時間中は、教室内を歩いて、不正行為がないように見回ります。
最後は、解答用紙を回収するだけですから、難しいことはありません。
1日8時間やると8000円くらいになったので、いい仕事だと思ったものです。
ですが、途中でコロナ渦になったので、そのバイトも今はしていません。
そんな試験監督ですが、中高年男性に人気があるという記事を読みました。
筆者(40代主婦)は2月のある日、人生初の試験監督バイトを経験した。およそ5000人の受験者がいる大規模会場の試験監督だ。その時に何よりも驚いたのは、総勢200人ほどの試験監督のほとんどがアルバイトで、しかも、そのうちのおよそ8割が50~60代の「おじさん」だったことだ。
筆者は、試験監督バイトを経験したら、バイトをする8割が50~60代の「おじさん」だったことに驚いています。
そしがやの場合は、大学の期末試験の監督というもあり、そういうことはありませんでした。
予想外だったのは、意外と留学生で試験監督をやっている人が多かったことくらいでしょうか。
主流は、20歳~30歳台の大学院生でした。
さらに、夏休みや春休みは専門学校が休みなので、収入はない。授業のないシーズンはバイトや派遣で糊口をしのぐ。ちょうど春休みに当たる2~3月は試験シーズンなので、週末は国家資格や大学入試の試験監督のバイトに入る。
Aさんはこの期間、毎週末に必ず仕事が入るように、試験監督を扱う派遣会社やイベント会社に5社ほど登録しているという。
筆者は、経理の専門学校で簿記を教える非常勤講師の59歳のAさんに取材をしています。
Aさんは、専門学校には週に3日ほど出勤しますが、保険や年金は自分で加入しなければならず、失業保険もないので、実質の手取りは20万円を切るといいます。
そんな理由で試験監督のバイトをしているわけです。
「試験監督は現場で知り合っても、次の試験で会うことはほとんどない。顔見知りの人は多少いるけれども、深入りするほど話をする時間もない。人間関係を作らなくて済むので、ほかのバイトのようなわずらわしさがなくていい」
Aさんは、バブル前に銀行に就職しますが、接待が多い職場で酒もゴルフもやらないので、苦行の連続だったそうです。
結局、仕事が合わないという理由で30歳ごろに退職します。
税理士として独立しようと、会計事務所に就職しますが、そこも税理士試験が通らず、辞めてしまい、その後は、仕事を転々として、現在、経理の専門学校の非常勤講師になっているとのこと。
こう見てくると、人間関係にずっと悩んできたAさんにとっては、人間関係を作らなくていい試験監督は、向いていたようですね。
そしがやの試験監督の経験からいうと各試験ごとに2~5人のチームで監督をしますが、毎回メンバーは変わります。
合わない人がいてもそれっきりです。
精神衛生上は、本当にラクでした。
ですから、この記事のAさんの気持ちが本当によくわかりますね。
そしがやもこの記事を読んでコロナが落ち着いたら、また試験監督の仕事をしてみようかなという気になりました。