そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「寝たきりの親にパラサイト」か、訪問診療医射殺事件

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亡くなった高齢の母親の主治医を息子が猟銃で撃ち殺したという事件が最近、ありました。

かなりショッキングな事件でしたが、その内幕に触れた記事を読みました。

 

news.yahoo.co.jp

1月27日、渡辺宏容疑者(66歳)は埼玉県ふじみ野市の自宅で、前日に死亡した母親(92歳)の担当医だった鈴木純一さん(44歳)を人質に立てこもり、散弾銃で撃って殺害した疑いで逮捕された。医師の筒井冨美さんは「自らは働かず、寝たきりの親の年金収入を生活の糧とする家族の中には親に対して際限なく延命治療をリクエストするケースが少なくない。それは、愛する親を死なせたくないという気持ちゆえの“懇願”であることもあるが、“金目当て”と感じる医療者も多い」という――。

 

この記事は、現役の医師によって書かれたものですが、テレビや新聞のマスメディアが明らかにしない、寝たきりの親にパラサイトする家族の暗部を明らかにしています。

最初、テレビのニュースでこの事件を知った時には、医師と息子との間で医療方針をめぐって対立があったという説明だったので、そんなことで医師を殺すのがよくわからないというのが正直な感想でした。

ですが、この記事によるとその背景としては、医師に延命措置をリクエストする家族には、金目当てという面があると指摘しています。

読み進めていくと高齢化する現代日本の闇を見るような気がしました。

 

「容疑者の92歳の母親は数年前から訪問診療を受けていたが、栄養をチューブで送る『胃ろう』を在宅で受けられないことに不満を抱いていた」と報道されている。

 

容疑者は、母親への在宅での『胃ろう』を医師へ要求していたとのことです。

親の延命を願うのは、息子としては、ある意味、当然のことでしょうが、そこには、母親の年金の受給を望むという面もあるとこの記事では、推測しています。

この年金のことについては、新聞等では報道されていないので、あくまでもこの筆者の憶測にとどまっています。

 

ですが、亡くなった親の遺体を、年金を受給したいがため、そのままに家の中で放置していたというニュースを耳にすると意外と当たっているような気もします。

それにこの無職だと言われている容疑者がどうやって収入を得ていたのかも疑問です。

これから週刊誌等でこのあたりの疑問に答える記事が出てきそうな気がします。

 

この記事では、こんな言葉も紹介されています。

「寝たきり大黒柱」という医療関係者の俗語がある。現在、日本の社会保障制度では、医療費の自己負担額には上限があり、高齢者ほど公費負担割合が大きい。そのため、年金支給額から、老親の医療費を差し引いても毎月それなりの額が残ることもある。

 

「寝たきり大黒柱」というのは、初めて知りました。

寝たきりの親がいるとそこへパラサイトする子供たちもいるということです。

無論、この記事では、親にパラサイトする息子や娘ばかりではないとも強調しています。

自らの貯金や年金もあり、要介護状態になった親の世話をしたい(もしくはせざるを得ない)と、介護離職をする息子・娘もいるのも多いからです。

 

今回の事件を見ると、「寝たきり大黒柱」を回避できるよう「ひきこもり」が長期化する前に外で働けるような働きかけや社会保障改革の必要性がより高まった。

 

最後には、筆者こう述べています。

次のような提案もしています。

「具体的には、年金受給者や生活保護受給者が入院した際には、年金を本人名義の通帳に支給するのを停止する、といった策が考えられる。」

 

つまり、入院費やオムツ代など介護にかかる経費は、公費から直接病院に払うということです。

これ以外にも具体策は、ありそうです。

高齢化が進む中、こういう不幸な事件がまた起きないためにも、このケースを教訓にしてほしいですね。