リタイアしてからは、ほぼ毎日同じような日課で過ごしています。
毎朝7時半に起き、ストレッチをして、朝食を取り、ブログを書き、大学院の授業の予習をして、昼食を取ります。
午後は、散歩をして、戻ってきてからは、読書をしたり、ユーチューブを見たりします。
無論、週に何日かは、オンラインの授業があるので、その時は、ズームで授業に参加します。
夕食後は、テレビを見たり、読書をして、11時半に寝るといった日々です。
なぜこのように毎日同じルーティンを送っているかと言えば、仕事をしていないので、ルーティンを決めて律していかないと生活が乱れて、体調を崩しそうに思えたからです。
そんな日々のせいか、健康に過ごしています。
このような平凡な日常ですが、天才たちは、どう毎日を送っているか、についての本を読みました。
この本では、161人の天才と呼ばれる人たちの日課が紹介されています。
小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督などです。
一人あたり1ページから2ページほどという短さで紹介されているので、最初から読んでもいいし、目次から選んで、興味のある人物のところから読んでも問題ありません。
無論、アメリカ人の書いた本なので、日本では、無名の人も結構いました。
ですが、大多数は、日本人にもなじみのある天才たちです。
読んでいくと、共通点が見つかります。
毎日同じようなルーティーン生活を送っている人がほとんどだということです。
朝は、早く起きて、午前中に仕事を済ませて、午後は、散歩というものです。
意外に散歩をする人が多いのには、驚きました。
典型的な人物としては、哲学者のカントがいます。
彼の一日を取り上げてみます。
朝は、午前5時に起きます。
下男に起こしてもらい、薄めの紅茶をいっぱいか二杯飲んで、パイプで刻みタバコを吸います。
その後は、その日の講義の準備をして、少し書き物をします。
講義は、午前7時から始まり、午前11時まで続きます。
昼食は、レストランかパブでとります。
これが一日で唯一のまともな食事でした。
食事自体は、素朴なものを好み、良く焼いた肉とよいワインがあれば、よかったとのこと。
昼食は午後3時ころまで続き、その後は、3時半から散歩をして、親友のジョゼフ・グリーンを訪ねます。
平日は、午後7時ころまで話し、週末は、午後9時くらいまでいたとのこと。
家に戻ってからは、少し仕事をして、本を読んでから10時きっかりにベッドに入るというものです。
カントの散歩は有名なエピソードで、別の本でも読んだことがあります。
住んでいたケーニッヒベルグの人々は、カントの散歩の時間を時計代わりにしていたというものです。
彼は、毎日同じような日課を過ごしていました。
このカントのルーティンは、典型的なものですが、ほかにも大多数の天才たちが同様の日課を送っています。
有名どころでいえば、ベートーベン、チャイコフスキー、ダーウィンなどがいます。
いずれも早起きと散歩は、共通しています。
日本人としては、唯一取り上げられている村上春樹も早起きです。
散歩はしませんが、その代わりにランニングか水泳をしています。
一見天才には、このような判で押したような日常は、似合わないようですが、クリエイティブさを生むためには、このよう退屈にも見えるルーティンが必要なようです。
この本でも紹介されている心理学者のウィリアム・ジェイムズは、以下のように述べています。
「日常のこまごました事柄を、努力せずに無意識に行えるようにしてしまえば、その分、頭脳に余裕ができ、よりレベルの高い仕事ができるようになる」
つまりルーティン化できなくて、毎日何をするか自分で決めることが多いとその日常の判断に余計な頭脳を使ってしまい、高度の仕事ができないということです。
こういう文章を読むと思い出すのは、アップルのスティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたということです。
毎朝、服を選ぶのに余計な頭脳を使いたくなかったということでしょう。
あるいは、野球のイチローが毎朝カレーライスを食べていたことも同じことですね。
無論、このような規則正しい生活とは、無縁の天才たちもいます。
アルコールや薬物に依存していたり、夜には眠れなくて、睡眠導入剤に頼っている人物たちです。
ですが、161人の天才たちの中では、例外的な存在です。
そしがや自身に振り返ってみると、最初に触れたようにほぼ毎日同じようなルーティン生活を送っています。
ここで紹介されている天才たちとほぼ共通していると思うのですが、パーフォマンスに違いの出るのは、どうしてでしょうね。
無論凡人だからでしょうが、ルーティン生活をしているからまだ凡人なりのパーフォマンスをあげていると自分を納得させるしかなさそうですね。