先日、久しぶりに映画を見に行きました。
これまでは緊急事態宣言が出ていることもあって、1年半以上映画館に行っていませんでした。
ですが、緊急事態宣言も解除されたということもあって、映画を見てきました。
司馬遼太郎の原作は、ずいぶん前に読んでいて、面白かったので、それがどのように映像化されるかということも興味がありました。
それにこれまで映画やテレビドラマで何度も映像化されてきた土方や新選組がこの作品でどう描かれるかも関心がありました。
映画は、ほぼ原作に忠実で、武州多摩の豪農の倅だった土方歳三が、剣術道場の仲間たちと京都へ出ての新選組を結成し、不逞浪士たちと戦い、そして江戸幕府瓦解後も官軍に降伏せず戊辰戦争で各地を転戦し、ついには箱館戦争で戦死するまでを扱っています。
架空の人物である七里研之助やお雪も原作通り登場し、この映画では重要な役割を担います。
もちろん、すべてが原作通りということはなく、約2時間半という上映時間に合わせるためにか、省いたところがかなりあります。
ですから、展開が速い反面、当時の政治状況等を理解していないとやや消化不良になりそうです。
そしがや自身は、幕末の状況は、ある程度分かっているつもりなので、展開の速さが心地いいくらいで、楽しめました。
原作の第一の魅力は、主人公の土方歳三の人物像を描いたことでしたが、この映画でも同様に彼のカッコよさが十分に堪能できました。
運動能力の高い岡田准一が土方を演じたこともあり、殺陣のシーンが見事です。
それだけでなく、有名な局中法度などで、新選組を上意下達の徹底的な軍隊組織に作り上げ、鬼の副長と言われた土方の組織運営能力の高さも分かります。
この映画のクライマックスは、池田屋事件です。
このシーンでは、探索方の山﨑丞のかなり活躍します。
これは見ていて、ちょっと意外でした。
原作では、どうだったか、あまり山﨑の記憶がなかったのですが、近藤たちが突入前に志士たちの刀を隠したりと彼はかなり重要は役割を果たします。
これがこの映画では、今までの新選組を描いた映画やドラマとは違う描き方でしょう。
この池田屋事件で新選組は、その名を不動のものとしますが、それが滅亡への第一歩になります。
その後、薩長同盟が締結され、幕府は弱体化していき、戊辰戦争へと向かいます。
鳥羽伏見の戦い、近藤の死、最後は、箱館戦争へと移行していきますが、土方の幕府への忠義は変わりません。
最後は、箱館での土方の壮絶な死をもってこの映画は終わります。
原作の司馬遼太郎の描いた土方歳三という人物の魅力を、エンタテインメントとしても楽しめるようにした映画でした。
全体としては、スピード感があり、あっという間に2時間半が過ぎていったという感じです。
土方だけでなく、幕末や新選組に関心のある人には、お勧めしたい映画です。