60歳でリタイアして10年近く経ちます。
その間、一度も仕事をしたいと思ったことはありません。
ですが、ネット上には、生涯現役を推奨するような記事も結構多いです。
マクドナルドで90歳で週5勤務する人が話題を呼んでいる。67歳からすでに23年勤務しており、朝7時半~10時半勤務で週5日、元気に働いているという。
マクドナルドには時々行きますが、高齢のスタッフを見かけることがあります。
この90歳の方もそういうスタッフでしょう。
このライターは、個人的には仕事はできるだけ続けた方がいいと主張していて、その例としてこの90歳で働いている人の例を挙げています。
その理由としては、経済力を維持するためというより、健康と脳の老化防止になるためだとしています。
個人的には、この年齢まで仕事をするのは、素晴らしいことだと思います。
ですが、そしがや自身は、仕事をしたくはありません。
高齢になって、仕事をするしないは、個人の判断に任せるべきでしょう。
それぞれ個人の労働観が違うのですから一律に生涯現役を押し付けることはできないものです。
たとえば筆者が知っている事例ではFIREで暇を持て余した結果、やることがない虚しさと社会から切り離されている感覚に苦しんでいる人物がいる。彼は朝からずっとアルコール漬けでなければ正気を保てず、夜になるとベッドの上でひたすら泣き続けるといった不安定な精神状態である。
このライターは、FIREをした結果、精神的に不安定になった事例を挙げています。
これって、仕事をしている人にも同じような事例があることを見逃しています。
職場のストレスで酒に逃げるというケースはよく耳にします。
むしろ現実には、そういったケースの方が多いでしょう。
ですからこの記事で取り上げているアルコール漬けになった人物の原因をFIREのせいにするのは、かなり極論のように感じます。
また、外食店で店員に「早くもってこい」「底辺の仕事だな」と怒ったり蔑んだりするケースを挙げています。
これも同様に仕事を辞めたことによるという、直接の因果関係は証明できないものです。
仕事をしている人にもこういった発言をする人はいるものです。
このようにこのライターの主張は、「人生の価値は、仕事にのみ存在する」というものです。
ですが、そしがやは、「人間の価値は、仕事以外にもある」と考えてきました。
そう考えてきたことで、かえって、仕事にもいい影響を与えてきました。
もし「自分から仕事を引いたら何も残らない」だとすると仕事を除いてしまうとその後の人生は、何もない、抜け殻のようなものになってしまいます。
これって、かなり悲しいです。
このライター自身がこういう価値観で仕事をすることを否定はしませんが、多様な考え方を認めた方が価値観の押し付けによって不幸になる人を増やさないと思いますね。