コロナ禍前ですが、英語のサークルに通っていたころ、メンバーに証券会社で営業をしている男性がいました。
無論、英語のサークルなので、仕事の話はそんなにしなかったのですが、是非聞いてみたい質問がありました。
「そんなに有望な株ならあなたが買えば?」です。
サークルなので、そんな質問をするのもちょっと失礼かなと思いましたが、一度尋ねたことがありました。
その時の答えは、今回の記事の筆者に対するものと同じでした。
今からもう10年以上前のことですが、当時は、「未公開株を買いませんか?」とのセールス電話がよくかかってきました。
ほとんどの人は「興味はありません」とスパッと電話を切るのでしょうが、ちょうどそのころ、自称新進気鋭のFPとして「リアルな投資ネタ」を欲していた私は、そんなセールスに対しても、電話を切らず、対応をしておりました。
多分、このような電話を受けた経験は、誰しもあることでしょう。
そしがやは、現在では、そんな電話がうるさいので、在宅でも留守電にしています。
相手のメッセージを聞いてから出るようにしているので、そのような電話に煩わされることはなくなりました。
もちろん、FPとして基本的な投資知識や、それなりの投資経験のあった私は、絶対に儲かる投資などないことは分かってはおりました。
なので、最初は「リアルなあやしい投資話ネタ」と割り切って聞いておりました。
しかし、自信満々に、さも「必ず儲かる」かのように話してくるセールスを何度も受けているうちに、FPとしてのプライドが刺激され、禁断の質問をしてしまったのでした。
それがタイトルにもある「じゃぁ、あなたが投資をすれば?」です。
これって、そしがやが以前、証券会社に勤めるサークルのメンバーにしたものと同じものです。
気分を害して怒ってこないかな……とドキドキしながらの質問でしたが、返ってきたのは、「買えるのなら買いたいのですが、社内規定で買えないのです」といった、丁寧かつ、無難な回答でした。
その答えは、そしがやが聞いたのとまったく同じです。
この模範的な答えは、会社のマニュアルでそう答えるように決まっているのでしょうね。
筆者は、「でも、ほぼ儲かるのなら、なんとかして、ご自身が手に入れたいのではないですか?」と調子に乗って聞いてみたとのこと。
「いや、それができれば、ねぇ……」と言葉を濁すものの「でも、この企業の特許は、本当に注目されているのですよ」と、銘柄の有望性を語ります。
「では、友人名義で買ってみるとか?」と余計なおせっかいを言ってみたこともありました。
「さすがに、それは、ねぇ……」と歯切れが悪くなり、「でも、この企業の技術は、学会でも認められているんですよ」と、流暢に切り返してきます。
こういう会話って、予想できますよね。
つまりセールストークの鉄則は、相手の土俵に乗らず、自分の土俵に引き込むということでしょう。
筆者の経験としては、自分が勧める商品を実際に自分で購入している営業マンは、皆無だったと述べています。
ですが、筆者は、一度相手の土俵に乗ってしまい、言われるがままに購入してしまい、失敗したことを告白しています。
そして、投資詐欺等に引っかかる場合は、そんな土俵に乗せられていたとのケースが多いもの。
もっとも、「自分の土俵に引きずり込む」ことは、投資詐欺に限らず、あらゆるセールスの常套手段でもあるので、このことは普段から意識しておきたいところですね。
最後には、このように結論付けています。
そしがやの場合は、いつも留守電にしているので、もうこういったことはありませんが、電話以外でのセールスもあるかもしれないので、これからも注意していきたいものです。