子どものころ、親からはお菓子をくれる人に付いて行ってはいけませんとよく言われていました。
そのせいか、いまだにただで物をくれるとかお金をくれるという誘いには、警戒心を持ってしまいます。
ですが、警戒心の薄い人もいて、結果として犯罪に加担してしまう場合もあるようです。
こんな記事を読みました。
借金を背負い、返済に窮していた圭子さんはツイッターを経由して「お金を配ります」というアカウントを訪れ、「資金を調達できる」の書き込みを見た。連絡したところ、テレグラムというメッセージアプリでのやりとりを求められた。要求どおりにすると、男から電話がかかってきてこう言われた。
20代のOL圭子さん(仮名)は、ツイッターを見て、連絡した時には、まさか自分が犯罪の被害者ではなく、犯罪に加担してしまうとは思ってもいませんでした。
普通だったら、この「お金を配ります」という時点でおかしいと気づきそうなものです。
「お金を振り込む条件として新規に銀行口座を開設してもらいます。そのキャッシュカードを送ってもらえば、1週間後、口座にお金を入れてカードを返します」
ここまで来れば、かなり怪しいと考えそうなものですが、圭子さんは、信じ切っていたようです。
ですが、キャッシュカードと暗証番号をレターパックで郵送してもお金の振り込みもなかったし、ましてやカードが戻ってくることもありませんでした。
それどころか、銀行からの「犯罪収益移転防止法に基づく取引確認の依頼文書」が届いてやっと事の重大性に気づきました。
圭子さんは親と一緒に警察に行き、事情聴取を受けました。
彼女の口座には約100万円の振り込みがあり、全額が引き出されていました。
つまりは、詐欺師が彼女の口座を使って大金をせしめたのです。
犯罪に加担させられてしまったわけです。
詐欺に遭った被害者の弁護士から圭子さんに「振り込んだお金をすべて返金せよ」との通知書も届きます。
詐欺グループの首謀者の所在が不明のため、身元のわかる彼女に返金要請が来たということです。
なぜこんな話を信じてしまったのか。圭子さんは「すでにお金配りをしている人がいるから、この人もそうだと信じ込んでしまった」という。最近話題の大金を配るIT長者とダブらせたようだ。
こんな話を簡単に信じるのは、ちょっと不思議ですが、彼女自身が借金があって、心理的に追い込まれていたということもあるでしょう。
そこに大金を配るIT長者のニュースもあり、信じてしまったのかもしれません。
冷静に考えたら、あり得る話ではないし、詐欺の典型的なテクニックでしょう。
甘い言葉の先には警察の厳しい捜査と弁護士の返金要求が待ち受けていることを肝に銘じたほうがいい。
最後は、このように結んでいますが、率直に言えば、人の心の中に弱みがある限り残念ながらこの手の犯罪に騙される人は、永久になくならないような気がしますね。