そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

コロナで就労機会を失った55歳が、そのまま無職を続けることにした理由

先日NHKテレビでやっている「ファミリーヒストリー」をいう番組で鶴見慎吾の回を放送していました。

この番組は、いつも見ているのですが、鶴見慎吾の回で面白いと思ったのは、母方の祖父がほぼ無職だったということです。

親の残してくれた財産である土地を切り売りして、暮らしていたそうです。

若いころは、その祖父は、俳優を目指していたようですが、芽が出ず、あきらめて、そんな無職生活に入ったようです。

 

いまでいうアーリーリタイアでしょうか。

ちょっとうらやましいなあ、と思いながら、番組を見ていました。

といって、子どもにも経済的な苦労もさせませんでした。

その子どもが鶴見慎吾の母です。

親の財産がそれなりにあれば、無理に働かなくてもいいという見本でしょう。


そんなテレビ番組を見た後で似たような事例の記事を読みました。

 

president.jp

55歳の長男は30代後半から働けずに家にひきこもっている。82歳の父親はなんとか就業させたいと焦るが、コロナ禍で立ち直りの機会を失った。息子はこのままで大丈夫なのか。ファイナンシャルプランナーに相談すると、その回答は意外にも「55歳ですし、無理して働かなくてもいい」だった——。

 

このケースでは、高齢の父親は、55歳の息子には、働いてもらいたいという焦っています。

これって、子を持つ親の気持ちとしては、当然でしょう。

ですが、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の回答は、予想外でした。

 

【家族構成と家計・資産状況】
収入
・父親:82歳(年金生活) 年収280万円
・母親:80歳(年金生活) 年収95万円
・長男:55歳(無職)
資産
・預貯金:2300万円
・自宅:戸建て持ち家
支出
・家族3人で社会保険料、住居費、保険料などを除いて月額20万円

 

上記のような、資産状況ですが、両親は、息子に働いてもらおうといろいろと努力をしてきました。

自治体の引きこもり支援は、30歳代後半で終わってしまうので、40歳代になってからは、公的な施設や民間団体などのいろいろな支援を受けました。

50歳代では、就労に向けたプログラムを実践していましたが、今回のコロナの影響でフリースペースや就労支援講座が軒並み閉鎖や中止になってしまい、また息子は、引きこもり生活に戻ってしまいました。

そんな時にFPに相談したわけです。

 

<シミュレーションの前提条件>
● 両親とも現在の平均余命(82歳男性の場合:約8年、80歳女性の場合:約12年)まで生きるものとする。
● 老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計額は、父親が280万円、母親は95万円とします。
● 両親の死去後に、長男がそのまま自宅に住み続けます。
● 現在の家族3人での生活費は、社会保険料、住居費、保険料などを除いて月額20万円です。父親の死去で2割、母親の死去で4割減額します。
シミュレーションの結果は、父親が心配するほどではありませんでした。両親が他界し、長男が90歳になった時点でも700万円余りのお金が残ることがわかりました。

 

FPのシュミレーションの結果は、かなり予想外なものでした。

結論から言えば、無理に就職する必要がないというものです。

 

「55歳にもなったことだし、もう仕事をしなくてもいいんじゃないでしょうか」
私の言葉に、父親は驚きます。
「仕事をしないなんてことが許されるのでしょうか」
どうやら、経済的な問題もさることながら、父親は一人前の社会人としての価値観にとらわれているようです。

 

FPと父親との間には、このような会話が交わされます。

父としては、仕事をして一人前という価値観があるようです。

FPとしては、それなりの財産があれば、息子さんが無理に仕事をする必要がないという結論です。

 

富裕層というほどではなくても、自宅とある程度の金融資産があり、本人が浪費家でなければ、その後の生活が成り立つ場合は少なくありません。本人の就労を目標にするよりも、親が遺してくれた資産を使って本人が生活していけるかを考えたほうが現実的です。

 

最後には、こんな結論で終わっていますが、こういう考え方があると知って、父親は、少し戸惑っているようですが、気持ちが楽になったのも確かでしょう。

ある程度の資産がある場合は、こういう考え方が現実的だと思いましたね。

 

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