大学で受講している科目に「経済と金融」の授業があります。
講師は、もともと銀行出身で退職して、大学の教員になったというかなり珍しい経歴の人です。
気さくな方で学食で会っても、向こうから声をかけてくれます。
アカデミズムの中にいた教授たちとは、ちょっと雰囲気の違いますね。
さて先日「投資の原則~家計に見合ったポートフォリオの考察」という講義がありました。
資産運用の話だったので、大変興味深くききました。
投資信託のファンドマネージャーもしていた経験もあるようで、その当時の話も面白かったです。
投資信託を開発して、いろいろな場所で説明会を開いたことがあると言っていました。
そういう経歴なので、マネージャを辞めてからも先生自身も投資信託は持っているようです。
どのような種類の投資信託か具体的な説明はなかったのですが、十年ほど前に購入したものが一時期半値になり、現在はやっと98%までに回復したので、売却を考えているという話をしていました。
何か、そしがやと同じ状況です。
そしがやも10年ほど前にいくつかの投資信託を購入して、リーマンショックで大分下げ、一年ほど前にやっと価格が戻ったので、損をしない価格で売却をしたのです。途中で何度か損してもいいから売却しようという誘惑に駆られましたが、持続していてよかったです。
その先生が、かなり頑固な娘婿の話をしたのです。
何度か投資信託を勧めたのですが、その娘婿は、購入しなかったというのです。
ずっと銀行預金にしていたようです。
先生も笑いながら話していましたが、結果的には、娘婿が正解だったのではないかと。
確かに投資信託を購入して価格が下がったときの精神的な不安な気持ちを考えるとそうかもしれません。
現在はアベノミクスでどうにか前に価格に戻ったが、戻らなかった可能性だってあったかもしれません。
あるいは、購入して、値段がもっと下がるという不安で損してもいいからと売却した可能性もあります。
現実にはそういう人が多かったと思います。
それを考えたら、愚直に銀行預金で持っていたほうが正解だったのではないかというのです。
冗談ぽく話していたので、どこまで本心か、わかりませんが、金融会社にいて投資信託のような商品を開発していた人間もそんな気持ちだったというのが、正直驚きでしたね。