公務員だったころ、行旅病人及行旅死亡人取扱法というのがあり、行倒れの死者に対して適応されるということを耳にしたことがありました。
担当ではなかったので、よくは分かりませんでしたが、毎年何人かその適応になる人がいたようです。
これは、身元不明で「行旅死亡人」に該当するとき、自治体が費用負担して、葬儀を行うというものです。
そんな引き取り手のない死者が今は、増えているようです。
身よりがなく経済的に困窮して亡くなった人の葬祭費を市区町村などの行政が負担するケースが増えている問題で、総務省は初めて実態調査をし28日、発表した。親族などの引き取り手がいない死者の数は2018年4月から21年10月までの間に、10万5773件に上った。
10万5773件という数字をどう見るかですが、この記事では、今回が初めての実態調査なので、それ以前の数字は、分かりません。
現在の社会の実態からすると増えているということで間違いなさそうです。
そしがや自身のことで考えると妻がいるので、自分が亡くなった場合は、妻が葬儀をしてくれると思っています。
ですが、妻が先に亡くなったりすると子供もいないので、この引き取り手のない死者になりそうです。
これって、未婚の人や結婚していても子供のいない人は、誰しもこういった不安を感じているかもしれません。
このうち、約半数にあたる5万5424件は遺留金がなく、行政が葬祭費などを負担した。市区町村が支出する葬祭費の基準額は一件あたり約21万円で、概算すると116億円程度の葬祭費を行政が負担した可能性がある。
引き取り手のない死者の半数は、遺留金がないとのこと。
それで葬祭費を行政が負担したようです。
誰もいなければ、行政が負担するしかないでしょうが、これからますますこういったケースは、増えていくでしょうね。
何とも高齢化社会の日本を象徴する話でやり切れませんが、やはり誰も身寄りがいなければ、行旅病人及行旅死亡人取扱法を適応して、行政が面倒を見るしかなさそうです。
個人としてできることは、そういう場合に備えて、身辺を整理するなど、いわゆる「終活」を行うということでしょう。
勤めているころには、自治体の関連団体である社会福祉協議会などで、有料になりますが、生前の見守りや入院時の支援、重要書類の預かり、預金の引き出し、契約に基づいて支援してくれる制度があると聞いていました。
死後は葬儀や死後事務などもしてくれるようです。
不安に感じたら、地元の自治体の社会福祉協議会に問い合わせてみるのがよさそうです。