日本は、ここ30年ほどデフレ状態で給料が上がらない状態ですが、一方では、外国ではかなりの高給を得ることができるようになっているようです。
寿司職人・和食料理人専用の求人サイトで、寿司職人の平均年収は約400万円程度。しかし、最大で2700万円になる可能性がある。その差を生む1つの理由が、海外へ出稼ぎに行くこと。
この記事では、4倍近くに上がる寿司職人の例が取り上げられていますが、ほかにも営業840万円(日本の平均給与379万円)、ITエンジニア1020万円(日本の平均給与497万円)、コンサルタント1040万円(日本の平均給与480万円)などのケースがあります。
“短期で超稼げる”とネットで話題の国が、オーストラリア。3年前、ワーキングホリデー制度を使ってオーストラリアへ渡り、工場の金属加工の仕事を行う“出稼ぎ生活”を送っているしょなるさん(32)。日本にいた時の手取り月収25万円が、今は80万円になっているそうで、「最低賃金が高いのもあるし、土曜日は3時間までは時給が1.5倍で、超えたら2倍のダブルペイで支払われる」という。
この記事では、具体的なケースとして2人の方が取り上げられていますが、オーストラリアで工場の金属加工の仕事している男性は、日本で手取り月収25万円が、今は80万円になるとのこと。
物価が高いとはいえ、これだけの給料は魅力的ですね。
もう一人の例は、ちょっと厳しいケースです。
ニューヨークでYouTubeを発信している大工の男性で月収18万円です。
生活費全体で月だいたい4000ドル(約56万円)くらいかかるので、貯金を食いつぶしていて、生活は苦しいと述べています。
ニューヨークにまだ残っているのは、今は見習いなのでこれから給料は上がっていき、17ドルの時給が5年後には37ドルになるからだといいます。
物価高は、心配ですが、何とか乗り切れると考えているようです。
今までは、日本に外国から出稼ぎ労働者がやってくることが多かったのですが、これからは日本人が外国へ出稼ぎに行く時代になったのかもしれません。
何だかこの記事を読むとかつて高度成長の前、日本がまだ貧しかったころに南米へ移民に行く人が多かった時代を思い出しますね。
個人的には、こういった外国で仕事をする選択肢が増えることは、歓迎すべきことだと考えています。
しかし日本全体で見れば、日本の職場に魅力がなくなってきたのは、ちょっと残念なことです。
なぜこのような結果になったかの分析は、いろいろあると思いますが、やはりある種の平等主義があったからでしょう。
日本では、一度、企業に採用されると仕事ぶりに関係なく、雇用は守られます。
これって、最近言われる働かないおじさん門題の原因にもなっていそうです。
だから失業率は低くなるものの、企業としては雇用を維持するために全体としては、賃金を抑えざるを得ないということでしょう。
一方、外国の場合は、能力があれば賃金も上がるが反面、能力がないとすぐに首を切られてしまいます。
今の日本がこのような低賃金の国になっているのは、大多数の日本人が現状の仕組みを選んだからでしょう。
日本は、民主主義体制なので、もし外国のような体制がいいと国民が考えるなら、そういう主張の政党が登場して、国民の支持を集めるでしょう。
ですが、そうはなっていません。
そのような主張する政党もないです。
多分、あっても選挙では勝てないでしょう。
ということは、現状の日本から脱する方法は、分かっているが、かなりの痛みを伴うため踏み出せないというのが、今の日本ということでしょうか。