アクティブ投信がパッシブ投信(インデックス投信)に比べて、成績が悪いというのは、かなり一般的な認識になってきたような気がします。
インデックス投資の優秀さが知られてきたということでしょう。
そんなアクティブ投信について金融庁が監視をしているという記事を読みました。
金融庁は資産運用会社が組成する投資商品の管理体制を厳しく監督する。国内の個別株を選別して組み入れるアクティブ型投資信託の調査で、株価指数などに連動させて運用するパッシブ型のリターンを明らかに下回る商品の8割が、大手金融機関系列の商品と判明した。運用成績に応じて決めるべき信託報酬も他社との横並び意識が目立った。投資家の保護を徹底するため、監督指針の改定も視野に入れる。
この記事の冒頭では、パッシブに比べ成績が下回っているアクティブ型投信の商品の8割が大手金融機関系列のものだと述べています。
意外に感じる人もいそうですね。
大手だからといって必ずしも安心できないということでしょう。
パッシブ型の成果を上回ったのは444本のうち35本で、大手のほか独立系の資産運用会社の商品も多くみられた。一方、下回ったのは32本で、この中に独立系は含まれない。さらに、このうち26本は国内大手の銀行・証券・保険傘下の資産運用会社10社の商品だったという。
アクティブ型投信でパッシブを上回ったのは、独立系の資産運用会社のものが多く見られたとしていますが、これも予想外ですね。
反面、下回ったもののは、ほぼ大手のものでした。
ほとんどが商品のパフォーマンスを考慮せず他社との横並び意識で信託報酬を決めていたほか、コスト控除後の指標を社内で共有せず成果の検証もしていなかった。中には、比較対象とはならない指標と比べて10年以上にわたりパッシブ型を上回る利益が出ていると誤認していたケースもあった。
信託報酬が他社との横並びで決められていたりとか、コスト控除の指標を社内で共有せず成果の検証もしていないというのは、「ほんまかいな」と突っ込みたくなるレベルですね。
社内での競争原理が働いていないということでしょうか。
とはいえ、大手資産運用会社は何もしないということではなく、新規や既存の商品を吟味する動きも出ています。
自社判断による繰り上げ償還が増えてきたということからも分かります。
ただ、「繰り上げ償還の対象は自社にとって採算が悪い少額投信などが多く、低パフォーマンスだが信託報酬は高い商品を見直すケースはなかった」(金融庁)という。
やはり自社にとって、採算の悪いものだけを見直してきたようです。
顧客の立場は、ないがしろにされていますね。
17年に金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」の見直しのほか、監督指針や内閣府令の改定も検討しモニタリングを強化。成果のあがらない投資商品の手数料見直しや、他の投資商品との統合、早期償還など適切な対応をとるよう促す。
最後には、金融庁のこれからの監督方針について述べています。
本来であれば、運用会社が競争の中で顧客にとって有利な商品を開発すべきでしょう。
ですが、自浄作用が働かない以上、監督官庁である金融庁にこれからも監視を続けてもらうしかなさそうです。