そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「仲良く貧乏」を選んだ日本は世界に見放される



日本は、かつては、GDPが世界第2位の経済大国でしたが、現在は、中国に抜かれ第3位になっています。

それ以上に下落が激しいのが、一人当たりのGDPです。

1人当たりGDPは2000年は、世界第2位でしたが、2021年は、3万9340ドルで、世界28位です(IMF調査)。

このあたりについては、いろいろな分析がされていますが、どの分析も何かしっくりきません。

すべてに納得できるわけではありませんが、今回、比較的、説得力のある記事を読みました。

 

toyokeizai.net

2021年現在の世界1位は、ルクセンブルク(正式名称は、ルクセンブルク大公国)の13万6701ドルです。ルクセンブルクは、1993年以降ずっと首位を堅持しています。日本ではあまり知られていないルクセンブルクの成功要因を紹介します。

 

この記事では、一人当たりGDPが世界第1位のルクセンブルグについて、その成功の要因を紹介しています。

 

ルクセンブルクは、①低付加価値の製造業から高付加価値の金融業に転換し、②大量の移民を受け入れて、③優秀な移民にはルクセンブルク人とともに金融ビジネスを、優秀でない移民には単純労働を担ってもらう、という明快な国家戦略を実践してきたのです。

 

ルクセンブルグの成功の要因を交付価値の金融業に転換し、移民を受け入れたことだと分析しています。
同じような方針で成功した国として、アイルランド、スイス、シンガポールを挙げています。

いずれも小国で政府のコントロールで国民のコンセンサスを得やすいという特徴がありました。

 

① 移民の受け入れ。

② ものづくりの革新。

③ IT・金融など成長分野でのクラスター形成。

 

日本のような人口の多い国の成功例としては、アメリカとドイツを挙げています。

こちらの方が日本にとっては、参考になりそうです。

これらの国がとった上記の3点が成功の要因だとしています。

日本も同様の方針をとれば、成功できると思いがちですが、筆者は、そうはならないと考えています。

 

多くの上位国では、「経済成長による豊かさ」が事実上の国是になっています。少しくらい国民の経済格差が広がっても、失業者が出ても、国全体が経済成長すれば、豊かに暮らす国民の絶対数が増えます。

(中略)

それに対し日本では、政府も国民も「国民の平等と融和」をまず目指します。「経済成長による豊かさ」は、さほど重要な目標ではありません。極端に言うと「格差がある、ギスギスした豊かな社会より、みんなで仲良く貧乏に暮らす方が良い」と考えています。

 

多くの上位国では、「経済成長による豊かさ」を事実上の国是としてきましたが、日本では、「国民の平等と融和」を目指してきました。

これって現状の日本を言い当てていますね。

ただ筆者は、この考え方には批判的ですが、多くの国民にとっては、ほぼ同意できるものでしょう。

 

どの政党もこの方針が基本的な考え方です。「経済成長による豊かさ」を求める政党は見当たらないと言ってもいいでしょう。

本来であれば、自由民主党がそういう主張をしてもいいのですが、実際の自由民主党の主張は、保守政党とは言え、かなり社会民主主義的なものを含んでいます。

だからこそ長らく日本で政権を取り続けることができたのでしょう。

 

政府も国民も、1人当たりGDPの推移を直視し、その背後にある「豊かさと平等はトレードオフ(二律背反)の関係にある」という事実にしっかり向き合う必要がありそうです。

 

最後には、この記事でこのように結論付けていますが、経済理論としては、その通りでしょうが、筆者と同じような主張をする政党は現れないような気がします。

豊かさと平等がトレードオフというより、両方とも成り立つと考えている国民がほとんどだからです。

そしがやも両方が成り立つと思いたい一人です。

多分、この考え方が変わるのは、本当に貧乏になってからかもしれません。