現在の生活は、年金が主な生活費になっています。
保険料は、勤めていた60歳まで毎月納めていました。
今の制度は、2階建てになっているので、国民年金に相当する基礎年金部分と共済組合年金部分を払ってきたわけです。
それなりの額の保険料だったのですが、天引きだったせいもあり、給与明細を見るたび、高いと思いつつも支払うしかないと諦めていました。
もし天引きではなく、自分で払うとなったら、かなりの負担感があり、実際に払ったかどうか分かりません。
それを思うと天引きって、支払いを確実にさせる優れた制度とも言えそうです。
勤め始めたころ、自営業で国民年金の対象である知人と話したことがあります。
知人は、国がやっている国民年金は、将来どうなるか心配だから、保険料を納めないと言っていました。
民間保険の方が信頼できるからそちらに加入するというものでした。
その時は、そんな人もいるんだな、と聞き流していましたが、その後、いろいろと年金のことについて知るにつれて、民間保険より国民年金の方が絶対お得だということが分かりました。
その知人とは、ずっと会っていませんが、もう年金を受給する年齢になっているはずですが、今はどう考えているでしょうか。
20~60歳の日本国民であれば国民年金に加入し、年金保険料を納める必要があります。しかしながら年金保険料を納めない方がいるのも事実です。その理由として将来の年金制度への不安・不信や民間の年金保険に入っているので必要ないと考える方もおられるようです。
この記事では、最初に触れた知人と同じように将来の年金制度への不安・不信や民間の年金保険に入っているので必要ないと考える人がいると述べています。
これって、メディアでもよく取り上げられるテーマです。
国民年金(基礎年金)は、20歳から60歳までの40年間にわたって保険料を納めると、65歳から死亡するまで満額の年金が受け取れます。保険料と年金額は毎年見直され、令和3年度は毎月の保険料が1万6610円、受け取れる年金額は満額の場合78万900円です。
これは60歳保険料払込満了、据置期間5年、65歳年金受取開始の終身年金といえます。
この記事では、そんな国民年金と民間の年金保険との比較をしています。
これを読むと両者の違いがはっきりします。
最初に国民年金について説明しています。
民間の終身年金でこれと全く同じ条件を設定することは難しいため、払込金額の近い民間保険会社の個人年金保険を調べてみました(2021年4月現在価格)。
・月保険料:1万5000円
・20歳払込開始、60歳払込満了
・65歳年金開始
・10年確定年金
・年金額:77万8800円
同じ条件の民間の年金保険とを比較しています。
この記事によると20~60歳の40年間の払込総額は国民年金が約797万円(*国民年金の保険料は毎年変わるためあくまでも概算額)、民間保険会社の商品は720万円です。
保険料についてはほぼ同程度の金額になります。
そんな両者の明らかな違いは、国民年金が終身なのに対して、民間保険は、10年間だけという違いです。
これって、かなり大きな違いです。
民間保険は、65歳から受給し始めて、75歳ではもう終わってしまうということです。
ある意味では、仕事もほぼできなくなり、これから年金が本当に必要になる年齢になって、年金がもらえないというわけです。
これだけ比較すると国民年金の圧倒的な優位さが分かります。
なぜこういうことが可能になるかというとこの記事では触れられていませんが、国民年金には一人一人は支払う保険料と同額の国費が導入されているからです。
つまり国民年金の原資は、保険料だけでなく税金もあるという仕組みになっているということです。
こういう制度になっている以上は、民間の保険が国民年金に勝てるはずがありません。
国民年金は老後の生活保障(基礎年金)以外にも障害状態になったときの障害保障(障害基礎年金)、本人が死亡したあとの家族の生活を支える遺族保障(遺族基礎年金)の役割もあります。
民間の保険で同じ内容を得るのであれば、先ほど試算した年金保険料以外に年齢や性別に応じた別建ての保険に入り保険料を払う必要があります。国民年金は年齢性別問わず一律1万6610円ですが、これらの全てをカバーしていることを考えれば、意外と優れた保険であるともいえそうです。
ほかには、傷害基礎年金や遺族基礎年金もあります。
これらを加えると民間保険と比べると国民年金の優位さがさらに増します。
お金に余裕がない場合には免除・猶予制度もあるので、利用できます。
こう見てくると国民年金は絶対にお得だということが分かります。
今、これは、受給する年齢になって、実感しているところです。