リタイアした時の退職金は、各銀行の退職者向けの定期預金で運用しました。
退職者限定の比較的高金利のものです。
3か月程度の期間限定のものが多かったので、3か月ごとに銀行を変えていました。
ただこの退職者向けの定期預金も退職後2年程度で終わり、その後は、個人向け国債で運用しています。
その時いくつかの銀行を回っているときに定期預金と投資信託を組み合わせた、利回りの高い資産運用セットを案内されましたが、手数料が高いのがわかっていたので、利用しませんでした。
手数料負けしてしまい、銀行のカモになるのが明白だったからです。
そんな資産運用セットを利用して、後悔している男性の記事を読みました。
B氏は3年前に40年間勤務した会社を定年退職し2500万円の退職金を元にリタイア生活に入った。退職金が振込まれるとまもなく銀行から連絡があり、「とってもお得な特別キャンペーンのご案内があるので一度支店の窓口にお越しください」とのこと。
さっそく銀行の窓口に行くと担当者にVIP専用室という小部屋にご案内され、ご丁寧に支店長まで挨拶に現れた。B氏も前から資産運用には興味があったのでいい提案であれば是非お願いしたいと言うと「待ってました」の勢いで特別キャンペーン商品である「資産運用セット」について腕利き担当者によるマシンガントークが始まった。
B氏は、68歳の男性ですが、銀行からの連絡に何の疑いもなく、銀行の窓口へ行ってしまいます。
まずこの段階で警戒すべきでしたね。
そしがやの時もいくつかの金融機関から退職金の運用の連絡があったことを思い出します。
内容は退職金のうち2000万円を半分に分けて1000万円を指定の投資信託に預けるだけでもう半分の1000万円の3カ月定期預金の利率が通常0.002%のところ何と5%になる超お得な商品とのこと。
銀行の勧める、この資産運用セットは、どの金融機関も退職者向けに用意しているものです。
定期預金の利回りは高くなりますが、投資信託の手数料がバカ高いものです。
そういった欠点については、Bさんがどの程度の説明を受けたかどうかわかりません。
毎月約15万円の分配金が受け取れるなどの美味しいところだけを説明され、Bさんは、その気になり、2000万円分申し込んでしまいます。
毎月15万円だった分配金は半年後には12万円に減り、その1年後には9万円にまで減ってしまった。それどころか、元本自体も当初1000万円だったのが2020年3月には新型コロナショックでおよそ750万円にまで一気に下がり、現在も回復はせずに下位安定してしまっている。これでは何のために投資したかわからず、B氏もうなだれるばかり。
ですが、浮かれていたのは、つかの間で、Bさんは、現実を知ります。
銀行のいいカモにされてしまったわけです。
それにこの投資信託の購入時には3.3%の手数料が引かれていて1000万円のうち33万円は最初に差し引かれ、引かれた後の金額から投資が始まっている商品でした。
美味しかったのは、Bさんではなく、銀行の方でした。
特別金利5%の特典に目がくらんでしまったものです。
この記事を読んでどういう教訓をくみ取るでしょうか。
そしがやは、まずBさんは、事前に資金運用の知識をもっと持つべきだったと思います。
自分なりの資産運用プランを考えてから、金融機関を訪れるべきでした。
資産運用セットの投資信託の手数料が3.3%とバカ高いことを認識する必要がありました。
「銀行の窓口では提案されるな、自分から提案しろ!」が正しい姿勢です。自分のお金は他人の提案に左右されるのではなく、自分で決めてコントロールしましょう。
この記事でも最後は、こう強調しています。
銀行側が提案するプランというのは、銀行にとって手数料の稼げる、都合のいいプランです。
退職金は、サラリーマンにとっては、老後を支える大事な資金です。
安易に人任せにはしないで、自分なりの運用計画を持つ必要がありますね。
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