そしがやの場合は、両親はもうすでに二人とも亡くなっていますが、生前は、そんなに仲は悪くなかったと思います。
普通に年数回は、帰省していましたし、一緒に旅行に行ったこともあります。
ただ、世の中には、そうでもないケースもあります。
大学時代の友人ですが、母親との折り合いが悪く、父親が存命中は、実家にも帰っていたそうですが、父親が亡くなってからは、すっかり関係が切れてしまっという人がいました。
個人的には、母親しかいないのだから、もっと仲良くしたらと感じていましたが、本人に言わせれると一種の毒親で、いろいろな辛い仕打ちを受けてきたので、許せない思いが強いとのことでした。
そんな親子の縁ですが、いまは代行サービスがあるとの記事を読みました。
人生の後半戦で「親子の縁」がトラブルの種となるケースは多い。そうした時代背景を受け、「親子の縁切り」を請け負う“新たなサービス”が登場している。法的には不可能な肉親との絶縁はどのように行なわれているのか。
親子の縁切りというは、以前からある言葉ですが、新たなるサービスが登場したというのが、今日的です。
「親との一切の関わりを断ちたい。介護から死後の葬儀、納骨まで面倒をみてほしい」――。
終活をサポートする一般社団法人「LMN」には、そんな相談が連日寄せられているという。同法人の代表理事・遠藤英樹氏が語る。
「以前は週に2件ほどだった相談が、ここ1年で5倍以上に増えています。理由としては“親の面倒を見るのがしんどいから離れたい”というものが多い」
親との一切の関係を断ちたいという相談が増加しているといいます。
この記事で取り上げられている一般社団法人「LMN」は、もともとは就活をサポートする法人だったのに、いまは親子の縁切りの代行サービスが増えているようです。
「費用については、82歳で余命5年の場合を想定すると、初期登録料のほか介護や葬儀、相続関連など各種代行料が33万円、毎月1回の定期サポートサービス(施設訪問など)が5年分として計66万円かかります。概ね100万円程度が目安になります」
この記事によると100万円でだいたい済むようです。
いくつかの具体例が紹介されています。
「70代の母と“一切関わりたくない”という依頼でした。もともと母娘の折り合いが悪く、自立してからは連絡も取らず疎遠にしていたといいます。娘さん曰く『毒親だった』と。だが、病気がちになり介護の不安が出てきた母が娘を頼ろうとした。過去のわだかまりをなかったことのように話す母に愛想を尽かした娘さんが、『声も聞きたくない』と依頼してきました。こうしたケースは少なくありません」
このケースは、40歳代の女性のものですが、最初に触れた友人の場合に似ています。
この法人では、相談者(子供)にヒアリングをして、親との距離感をどの程度取るかを確認するそうです。
「病気やケガ、死亡時など何かあった時の連絡」を希望するパターンと、「一切連絡を取らず、死後もすべて丸投げ」のパターンがあります。
前者が多いようですが、この女性は、後者のパターンですね。
確かにこういう気持ちになる子供の気持ちもわからなくはありません。
ですが、親子なのだから、丸投げはどうなのかな、とちょっと割り切れない気持ちを感じる人もいるでしょう。
「少子高齢化で頼れる親戚が少なくなった現代社会では、“親との関係に困ったから〟とプロに間に入ってもらうのは悪いことではない。親を尊敬できない、愛せないという感情を抑えて無理するより、いっそ関係を解消しプロに委ねれば、親子双方にプラスになる面が大きいと思います」
子供も無理をするよりもプロに任せる方が双方にとってメリットが大きいと述べています。
追い詰められた子が親と無理心中を図るなど、介護をめぐる悲惨な事件は後を絶たない。親も子も不幸になるくらいなら「親子の縁を切る」という選択肢が、より現実的になってくるのだろうか。
こういう結論で終わっていますが、従来の親子観を捨てて、お互いに不幸にならないように割り切ることも大事なのかな、と思えますね。
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