そしがやは、新卒で勤めてから退職までずっと公務員でした。
仕事が嫌になり、辞めたくなった時もありました。
要領が悪く、なかなか仕事が覚えられなくて、叱られることが多かったし、人間関係もうまく行かなかったからです。
ですが、公務員以上に条件のいいところはないと思い、公務員を辞めることはありませんでした。
仕事も時間が経つと覚えるだろうし、人間関係に疲れても、人事異動があると思い、我慢してきました。
確かにその通りでした。
職場が変われば、仕事も人も変わるので、前の人間関係は、チャラになり、すごくラクになりました。
仕事も前の職場の知識が生きるので、覚えるのが速くなりました。
とはいえ、また新たなる人間関係が始まるので、そこでも同じような悩みが生じるのは、勿論でしたが。
それに公務員をやめても、一般事務職で、特別な能力もなく、専門職でもないので、今以上の条件で勤められるとは思ってもいなかったということもありました。
長い公務員生活の中では、途中でやめていく同僚もいました。
やはり20歳代の人が多かったのですが、大きく分けて、自分の田舎で公務員になった人とそれ以外の民間会社に勤めた人に分かれます。
最初のケースとしては、試験に受かり、北海道庁や大阪府庁それに新潟県の中学の教員になった人がすぐ思い出されます。
その人たちの消息は、あとからもいろいろと伝わってくることが多かったです。
ですが、それ以外の民間企業に転職した人たちからは、情報があまり入ってきませんでした。
たまに伝わってくるのは、転職した会社を辞めたという情報くらいでしょうか。
とはいえ、役所を途中でやめた人たちのことは、5年も経つとほとんど忘れられてしまいます。
個人的に年賀状でもやりしていれば、別ですが、そしがやは、そういう関係の人はいなかったので、公務員を途中でやめた人たちがその後どうなったかは、わかりません。
ただ、そしがやの40年近い公務員生活から考えると公務員に転職した人たちは、そんなに現在の自分とは変わらない生活を送っているのではないかと想像しています。
今は、彼らは、年齢的にも、ほとんど仕事はしていないと思いますが、それなりに経済的には余裕のある生活をしているでしょう。
反面、それ以外の人たちは、どうでしょうか。
転職者先を辞めた人は、転職のたびに、条件が悪くなり、場合によっては、ワーキングプアに陥っているような気さえします。
そしがやが60歳でリタイアでき、大学にも通えて、現在生活にそれほど困っていない一番の理由は、公務員をずっと続けてきたことかな、と考えています。
20歳代のころ仕事が嫌で、公務員を辞めていたら、どうなっていたでしょうか。
たぶん、経済的に大変で、まだ働き続けていたような気さえします。
そう考えると、公務員という仕事は、辛いこともありましたが、続けてきてよかったのだと思っています。
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