投資関係の書籍やネット上の記事は、よく目を通しますが、その中でも山崎元のものは、だいたい読んでいます。
山崎元というとインデックス投資の推奨者というイメージが強いのですが、個別株式投資について触れた記事を見つけました。
個人の個別株投資による資産運用は、「家庭菜園」で育てた作物による自給自足に近い。一個一個の作物には栽培の手間に込めた愛着があり、自分の口に入る食材に自分が知らない農薬・添加物・遺伝子組み換えなどが付加されていないことが分かる安心感がある。しかし、ある程度の規模で意識的にバランスを取るのでなければ、家庭菜園だけに食材を限ると栄養や味が偏る可能性がある。
ここでは、個別株式投資とインデックス投資を面白い比喩を用いて説明してします。
食生活の例です。
個別株式を家庭菜園に例えています。
これって、言い得て妙です。
分かりやすいし、説得力がありますね。
これに対して、「食品スーパー」で食材を週1回などの買い物でまとめ買いするのはインデックス・ファンドに資金を一括投資するのに近い感覚だし、「野菜の宅配」は積立投資に近い。自分で野菜を育てる楽しみは無いし、微量かも知れないが添加物がある可能性が排除できない。業者の利潤もある(インデックス・ファンドにも運用管理費用がある)。
インデックスファンドをスーパーでの買い物に例えていますが、そのその通りでしょう。
仕事をしている、忙しい人にとっては、一番楽で勝ちやすい方法です。
こういった比喩を使いながら、個別株式とインデックスファンドとの運用の差について、しっかり述べています。
ここでは、(1)期待リターン、(2)リスク、(3)コストの3つの要素からそれぞれの説明をしていますが、結論は、個別株式投資がインデックス投資に勝つのは、かなり難しいというものです。
これは、山崎元の従来からの主張で何も目新しいものはありません。
そしがやも個別株式投資がインデックス投資に比べて、勝ちにくいのは、分かっているつもりです。
しかし、現実を認めた上で、インデックス投資に大きく劣らない範囲を守りながら、個別株式での運用に工夫を仕込む方法は数多くある。
筆者が直ぐに思い浮かぶものだけでも、「へそ曲がりなバリュー投資」、「反応が遅れがちな上方修正の評価方法」、「不人気銘柄のコレクション」、「不祥事を狙うイベント投資」などが挙げられるし、個人的には、証券会社を退職したら個別株投資を第一の趣味にしたいと思っているので、新しい方法を(たぶん)まだまだ思いつくはずだ。
ですが、後半には、意外なことに個別株式投資の魅力について語っています。
いくつかの個別株式投資の手法についても触れています。
これって、多くの個別株式投資家の気持ちを代弁しているのではないでしょうか。
「個別株式投資は勝つのは、難しいが、面白いのでやっている」ということです。
インデックスファンドのカリスマの山崎元も退職後、個別株式投資を趣味としてやってみたいというのは、彼の本音のような気がしますね。
筆者は、現実的な認識を共有できる読者に向けて、「趣味と資産形成を両立できる株式投資の本」を書いてみたいと思っていて、現在構成を思案中なのだが、しかし、そのような地味な本(?)に読者が付くのか自信が持てずにいる。
終わりには、「趣味と資産形成を両立できる株式投資の本」を書いてみたいと述べていますが、出版されたら、ぜひ読んでみたいです。
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